手軽に不動産投資ができる不動産クラウドファンディングをご存じですか?この記事では、不動産クラウドファンディングの仕組み、不動産クラウドファンディングのメリット・デメリットについて解説するとともに、不動産クラウドファンディングを選ぶ際のポイントやおすすめの不動産投資会社についてもご紹介します。
この記事の監修者
織瀬ゆり
不動産のプロ
元信託銀行員。AFP・2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。
それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。
2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。
https://www.mama-hana.com/portfolio/
不動産クラウドファンディングの仕組み
不動産投資クラウドファンディングとは、複数の投資家から集めたお金をもとに不動産投資会社が不動産投資を行い、投資家が投資額に応じて配当を受けられる仕組みの投資方法です。
不動産クラウドファンディングは、以下の「投資型(匿名組合型)」と「投資型(任意組合型)」の2つの仕組みに分けられます。今回の記事では、投資型(匿名組合型)での不動産クラウドファンディングについてご説明します。
【投資型(匿名組合型)】
投資家は不動産投資会社と匿名組合契約の締結後、出資を行います。不動産投資会社はその資金をもとに不動産の所有および運用を行い、得られた利益を投資家に分配します。投資家の出資額は少額から可能な点が特徴です。
【投資型(任意組合型)】
投資家が出資金額に応じて、不動産を共有して不動産投資を行います。一口当たりの出資額は10~100万円程度と投資型(匿名組合型)よりも高額です。共有持ち分ではあるものの不動産を所有することになるため、現物不動産投資と同様に節税効果も期待できます。
不動産クラウドファンディングとそのほかの投資の違い
不動産クラウドファンディングとそのほかの不動産投資との違いについてご説明します。
クラウドファンディング | 現物不動産投資 | REIT | ソーシャルレンディング | |
分配金頻度・利回り | 〇 | △ | 〇 | △ |
換金の自由度 | △ | × | 〇 | △ |
節税対策の幅 | × | 〇 | △ | △ |
リスクヘッジ | 〇 | 〇 | △ | △ |
市場規模 | △ | 〇 | 〇 | △ |
選択肢 | 〇 | △ | 〇 | △ |
投資物件選択の自由度 | × | 〇 | × | × |
運用の手間 | 〇 | × | △ | 〇 |
分散投資 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
不動産クラウドファンディングと現物不動産投資との違い
現物不動産投資は賃貸不動産物件からの家賃収入を得る投資方法で、物件取得には多額の資金が必要です。アパートローンを利用する場合でも、まとまった自己資金は必要です。入居者から毎月安定的な家賃収入を得ることができる一方、空室リスクや災害リスクといった特有のリスクもあり、不動産管理や修繕の手間や工夫も要ります。
不動産クラウドファンディングは現物不動産投資より、利回りは高い傾向にあり、小額からの投資が可能です。また、取引はインターネットで完結し、不動産投資会社が不動産管理も行ってくれるため、手間もかかりません。
現物不動産投資については以下の記事で詳しく解説をしています。
不動産クラウドファンディングとREITとの違い
REITは投資家が出資した資金で不動産を購入し、運用収益を投資家に分配する金融商品です。証券取引所に上場しているREITをとくにJ-REITといいます。J-REITは証券取引所を介して、いつでも売買が可能ですが売却損が生じる場合もあります。
J-REITの最低投資金額は数十万円かかるものもあり、1万円からの投資も可能な不動産クラウドファンディングよりも投資金額は高いです。また不動産クラウドファンディングは中途解約などができませんが、利回りは不動産クラウドファンディングのほうが高い傾向にあります。
REITについては以下の記事で詳しく解説をしています。
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングとの違い
ソーシャルレンディングはインターネット上で出資を募って集めた資金を、必要とする者に貸し付けて、得られた金利収入を投資家に分配する仕組みです。
1万円程度の少額から投資が可能で、インターネット上で取引は完結する手軽さ、そして基本的には運用期間中の中途解約ができないことや、日々の価格変動がないことなど不動産クラウドファンディングとの共通しているところは多いでしょう。
大きな違いは、不動産クラウドファンディングは投資対象が不動産であるのに対し、ソーシャルレンディングは資金を必要とする者への貸付である点です。
また、不動産クラウドファンディングの情報開示の透明性は高い傾向にある一方、ソーシャルレンディングは詳細な情報開示には借入人の協力・同意が必要となるため、融資先の情報が不明確で、信頼性に欠ける場合もあります。
不動産クラウドファンディングのメリット
不動産クラウドファンディングのメリットについてご説明します。
少額から始められる
1万円から少額で投資を始められるのは大きなメリットです。
ほかの不動産投資を始めるには、REITは数万円から十万円、現物不動産投資となれば数百万円から数千万円の資金が必要となります。小額から手間をかけずに投資を始めたいという投資初心者にとっては大きなメリットといえるでしょう。
高い利回りを期待できる
不動産クラウドファンディングは高い利回りを期待できます。
不動産投資クラウドファンディングの平均的な利回りは、3~8%程度といわれています。この平均利回りはほかの不動産投資よりも高いといえ、投資案件によっては、平均的な利回りを超えるものもあります。ただし、利回りはリスクとも比例しますので、高利回りの案件はハイリスクハイリターンという側面もある点にも注意しておきましょう。
手間や労力を省ける
ほかの不動産投資の方法と比べると、手間や労力が省けます。
現物不動産投資は、入居者募集など賃貸不動産管理のほか、修繕の手間がかかります。もちろん管理会社にそれらの業務を委託できますが、管理の方針は不動産所有者が決定する必要があります。しかし、不動産クラウドファンディングは、不動産投資会社が管理業務をすべて行ってくれるため、労力がかかりません。また、契約もインターネットで完結するので投資初心者でも手間もかからず投資を始められます。
不動産経営のプロに任せられる
不動産クラウドファンディングは、不動産投資を不動産経営の専門家であるプロに任せられるのも大きな魅力であり、メリットです。
現物不動産投資では、投資家自身が賃貸需要の調査や入居者ターゲットを絞り込み、不動産物件の選定から事業計画の立案・資金繰り、契約を経て、さまざまなリスクへの対策を講じながら運用を行います。しかし、不動産クラウドファンディングでは、それらの役割をすべて不動産経営の専門家であるプロ、不動産投資会社に安心して運用をまかせることができます。ただし、信頼できる不動産投資会社であるか、評判や運用実績の確認、案件の見極めは必要です。
不動産クラウドファンディングのデメリット
元本割れの可能性がある
不動産クラウドファンディングは元本保証されていません。運用状況によっては、元本割れの可能性があるため、運用実績などの確認が必要です。
ただし、多くの不動産クラウドファンディングサービスには、投資リスクを軽減する仕組みとして、「優先劣後方式」(ファンドで損失が生じた場合に運営会社の出資分から負担が生じる仕組み)と「マスターリース方式」(サブリースすることを前提とした契約)があります。これらの仕組みがあることにより、ほかの不動産投資よりも運用時のリスク軽減を図れます。
途中解約ができないことが多い
不動産クラウドファンディングは、途中解約が認められていないことが多いです。
不動産投資会社の運用実績や案件ごとの開示情報などをあらかじめ確認し、余裕をもった投資を心がけておきましょう。
応募が通らないことがある
人気のある案件は、応募しても通らない場合もあります。
人気が高い運営会社や募集金額が少ない案件など、先着方式の場合には数十秒~数分で募集が終了することも珍しくありません。人気のある先着式の案件に応募したい時には事前ログインするなど、工夫も必要です。なお、クラウドファンディングの募集方式には、先着方式のほかに抽選方式もあります。
10,000円など少額の場合は手数料負けする可能性がある
少額からの投資が可能な不動産クラウドファンディングですが、投資額が少ないと利益が出ても、手数料金額の方が上回ってしまう可能性があります。
投資資金を指定の投資用口座に入金する際の振込手数料のほか、分配金などを出金する際の手数料など、不動産クラウドファンディングの投資には手数料が必要になる場合があります。あらかじめ、どのような手数料が必要であるかを、期待できる利益と照らし合わせて、手数料負けしない投資金額を考えておく必要があります。
不動産クラウドファンディングを選ぶ際のポイント
不動産クラウドファンディングを選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。
案件の数
案件数が多くて豊富な不動産投資会社を選びましょう。
案件数が多ければ募集頻度が高くなり、応募が通る可能性も高まります。複数の不動産投資会社のサイトに登録し、投資の機会を広げていきましょう。
投資先の不動産情報がしっかりと開示されているか
案件の情報が充実している不動産投資会社を選びましょう。
案件の選定をする際、開示されている情報から、不動産の立地や周辺状況を確認しましょう。より多くの情報が開示されていれば築年数やそのほかの条件から、物件価値の資産価値も計算できるので、利回りの想定も行いやすいでしょう。情報の豊富さは、不動産投資会社を選ぶ際の大きなポイントです。
キャピタルゲインとインカムゲインどちらに重点を置いているか
不動産投資会社の方針を確認しましょう。
過去の運用実績などを確認し、キャピタルゲインとインカムゲインのどちらに重点を置いているかを確認しましょう。
キャピタルゲインに重点を置いている場合、売却益狙いとなるため短期間でまとまった利益が生じる可能性がある一方で、想定していた売却益を下回った場合には分配金が減額される可能性もあります。インカムゲインに重点を置いている場合、安定した分配金を得られる可能性が高いでしょう。ただし、空室が生じた場合には分配金が減額されることもありますが、マスターリースによるリスクヘッジを採用している場合は分配金に影響はありません。
不動産投資会社の出資割合
不動産投資会社の出資割合を確認しましょう。
不動産投資会社の出資割合が高ければ高いほど投資家のリスクは低くなります。
不動産クラウドファンディングでは、優先劣後出資を採用しています。優先劣後出資が採用されていると、運用の中で損失が出た場合、まず不動産投資会社の出資金から補填されますので、不動産投資会社の出資割合が高ければ投資家が出資した元本は守られやすくなります。出資割合を比較および確認し、リスクを考慮した案件選定を行いましょう。
問題が起きた時の対応の有無
サポート体制についても確認しましょう。
とくに、初めて不動産クラウドファンディングに投資をする場合、問題が生じた時にていねいなサポートが受けられる体制があると安心できます。不動産投資会社のサポート体制を比較確認しておきましょう。
不動産投資におけるリスクについては以下の記事で詳しく解説をしています。
ポイントタウンおすすめ不動産投資会社
ポイントタウンでポイントを貯められる不動産投資会社の中から、不動産クラウドファンディングを始める際に、おすすめの会社をご紹介します。想定利回りや運用期間は目安です。募集中案件によって異なるためくわしくは公式サイトで確認してください。
Ezファンド(イージーファンド)
おすすめポイント | スマホで完結!初心者にも始めやすい |
特徴 | 取扱物件は運営会社が開発・管理しているため、物件の家賃相場や入居者情報、修繕履歴にいたるまで、すべてを把握。ノウハウを活かした賃貸経営が可能なため安心。 |
想定利回り | 4~6% |
運用期間 | 3か月~6か月 |
得られるポイント | 2,100ポイント条件新規会員登録完了(本人確認後、step06まで完了した方象) |
ポイントタウンURL | https://www.pointtown.com/item/5136 |
T’s Funding(ティーズファンディング)
おすすめポイント | グループ会社全体で不動産の建築や管理、売買まで業務をサポート |
特徴 | 一口10万円から不動産に投資可能。不動産の建築や管理、売買まで業務を行う環グループ全体のサービスを受けることができる。 |
想定利回り | 4~7% |
運用期間 | 3か月~6か月 |
得られるポイント | 5,000ポイント条件10万円以上の新規ファンド運用開始 |
ポイントタウンURL | https://www.pointtown.com/item/6754 |
TSON FUNDING(ティーソンファンディング)
おすすめポイント | 独自のAI不動産投資を活用したサービス |
特徴 | 分配利回りは5.0%以上と他社より高めに設定。運用期間中でも解約できる珍しいシステムを導入し、空室保証もあり安心。最低投資出資額は10万円から。 |
想定利回り | 5~7% |
運用期間 | 3か月~36か月 |
得られるポイント | 5,000ポイント条件新規会員登録後、2023年3月中に10万円以上の投資完了 |
ポイントタウンURL | https://pointtown.com/item/7154 |
SHIODOME funding(汐留ファンディング)
おすすめポイント | 各種⼠業法⼈と連携した不動産仕入れ |
特徴 | 他社と比べて優良な物件を揃えることが可能な仕入れに強み。不動産コンサルティング業で培ったノウハウを活かして、高利回りの収益不動産を提供。 |
想定利回り | 6~10% |
運用期間 | 6か月~12か月 |
得られるポイント | 500ポイント条件新規会員登録+出資者登録完了 |
ポイントタウンURL | https://pointtown.com/item/5383 |
DARWIN funding
おすすめポイント | ネットで完結できる安心投資。 |
特徴 | 新築、中古、一棟、オフィスなどの不動産を限定せず、あらゆる建物をファンドの対象として提案。安全性の高い案件だけを提供しているため投資初心者も安心。 |
想定利回り | 4~8% |
運用期間 | 2か月~12か月 |
得られるポイント | 40,000ポイント条件新規会員登録後、60日以内の新規投資完了(一括50万円) |
ポイントタウンURL | https://www.pointtown.com/item/4400 |
複数の不動産投資会社で投資の機会を広げよう
手軽に始められる不動産クラウドファンディングを成功させるためには、複数の不動産投資会社に登録し、投資機会を広げておくことも大切です。今回ご紹介したおすすめの不動産投資会社をはじめとして、まずはさまざまな不動産投資会社に登録を行ってみましょう。
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