生理にデトックス効果はある?生理の役割とデトックス効果について解説

月に1回程度の周期でやって来る生理は、膣にある古い細胞などを身体の外へ排出する自然のデトックスです。今回は、生理によるデトックス効果を高めるための方法や注意点、生理中の不調を和らげるためのおすすめ食材について詳しく解説します。

この記事の監修者

並木まき

美容のプロ

一般社団法人時短美容協会代表理事。時短美容家をはじめとする有識者として女性誌媒体等に連載・執筆多数。 保有資格を活かし美容にまつわる監修も数多く手がけている。元市議会議員として行政サービスや社会問題にも精通。 最近は美容と福祉をつなげる活動を精力的に行なっている。
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生理中の身体とデトックスの関係性

通常、女性は初潮を迎えると閉経に至るまで25~38日の周期で生理がやってきます。生理はデトックスと深い関係があります。では生理にはどのような役割があるのでしょうか?

まずは、生理とデトックスの関係について詳しく見てみましょう。

生理の役割とは?

生理は妊娠の準備のために起こる現象で、妊娠が成立しなかった場合に成熟した子宮内膜が剥がれ落ちて身体の外へ排出されることで起こります。生理はエストロゲンとプロゲステロンという二種類の女性ホルモンの働きによって周期がコントロールされています。生理が終わると子宮内膜を厚くするエストロゲンが多く分泌されるようになり、2週間ほどすると排卵が引き起こされます。

次にプロゲステロンが多く分泌され、厚くなった子宮内膜を妊娠しやすい状態に整えていくのです。排卵から2週間ほどしても妊娠しない場合は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が低下し、妊娠に備えていた子宮内膜が子宮の壁から剥がれ落ちて生理が引き起こされます。

生理にデトックス効果はあるの?

前述の通り、生理は妊娠に備えて厚く成熟した子宮内膜や、古くなった膣の細胞を身体の外に出すため一定の周期で引き起こさるものです。しかし、生理によって身体に溜まった老廃物が排出されることはありません。

ただし、生理は女性にとって体内に蓄積された不要な老廃物などを排出するので、「デトックス」であるとも考えられるでしょう。

生理の量が多い、生理の周期が不安定といった不調は病気ではないと軽く考えられがちです。しかし、生理の不調は身体が悲鳴を上げているサインかもしれません。生理の不調は生活習慣が関わっていることもあります。女性ならではのデトックスをより促すために、まずは生活習慣を見直してみましょう。

生理中におすすめの食べ物

生理中はお腹や腰の痛み、頭痛、だるさ、吐き気、気分の落ち込み、イライラ感など心身にさまざまな症状が現れます。生理中の症状を和らげるためには、どのような食事をすればよいか見てみましょう。

鉄分を含む食べ物

生理中は血液とともに鉄分が失われるため、貧血になりやすくなります。貧血はだるさ、動悸、息切れ、めまい、耳鳴りなどのつらい症状を引き起こします。これらの症状を和らげるためには、失われた鉄分を補うことが大切です。鉄分が多い食品としてはレバー、カツオ、マグロ、ひじき、ほうれん草、小松菜、枝豆などが挙げられます。

また、鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるので食べ合わせも意識しましょう。

血行促進する食べ物

生理中は血管を収縮させるプロスタグランジンという物質がたくさん作られるため、血行が悪くなりがちです。血行不良は生理痛を悪化させる原因でもあり、生理中はできるだけ血流を促す食べ物を摂るのが望ましいと考えられます。

血行促進する食べ物としては、末梢血管を拡張する働きがあるビタミンEを含むカボチャ、アスパラガス、アボカド、アーモンドなどがおすすめです。

青魚

青魚に含まれるEPAという必須脂肪酸は、抗炎症作用により生理痛を緩和させる効果が期待できると考えられています。生理中は子宮が収縮することで剥がれ落ちた子宮内膜を身体の外に排出しますが、過剰な収縮はつらい生理痛を引き起こします。生理痛が激しい方は青魚を積極的に摂ってみましょう。

大豆製品

大豆には女性ホルモンのエストロゲンと非常によく似た構造を持つイソフラボンが豊富に含まれています。大豆製品は生理不順などの不調を和らげる効果が期待できるといわれており、生理痛の緩和にも役立つとされています。生理中はイソフラボンが豊富な納豆や味噌、豆乳などを多く摂りましょう。

体を温める食材

生理中の血行不調は生理痛悪化の原因になります。血行を促進して生理痛を和らげるには体を温める食材がおすすめです。具体的にはにんじん、ごぼう、ほうれん草、れんこんなどの野菜類、味噌や納豆などの発酵食品、良質なたんぱく質を含む肉や魚などが挙げられます。

生理によるデトックス効果を高める方法

生理中はさまざまな不調に悩まされる人も多いのですが、女性にとっては身体に不要なものを排出する現象でもあります。では、生理のデトックス効果を高めるにはどのようなことに注意すればよいでのしょうか?

半身浴

剥がれ落ちた子宮内膜や血液は子宮が収縮することで身体の外へ排出されます。血行が良いと子宮はスムーズに収縮しやすくなり、生理痛が軽減します。血行を良くするには体が温まる半身浴がおすすめです。清潔なお湯につかり無理のない範囲で半身浴をしてみましょう。

ストレッチ

生理中の血行不良を和らげるには適度なストレッチも有効です。特に骨盤周りは血流が悪化しやすいため、下半身に効くストレッチを取り入れてみましょう。ただし、立ちくらみなどの症状があるときには無理は禁物です。入浴後などに体調と相談しながら行ってください。

睡眠

規則正しい周期で生理を迎えるには、良質な睡眠によってホルモンバランスを整えることが必要です。夜はリラックスした環境を整え、就寝前のスマホやタブレットの使用は控えてスムーズに入眠できるよう心がけましょう。

また、生理中の睡眠は足をクッションなどで少し高くすると下半身の血行が良くなり、生理痛の緩和につながります。

生理中のデトックスの注意点

最後に、生理中にデトックス効果を得るためにはどのようなことに気をつければよいか見てみましょう。

体を冷やさない

体を冷やすことは血流悪化につながり、生理によるデトックスが落ちるだけでなく生理痛の悪化を引き起こします。生理中は身体を冷やさないよう、空調や服装に注意しましょう。また、半身浴やストレッチなど身体を温める習慣も取り入れてみてください。

カフェインの摂り過ぎに注意

適量のカフェインは血行を促進する作用がありますが、過剰な摂取は自律神経のバランスを崩して血行悪化を招きます。生理中は眠気を感じやすくなり、カフェインを過剰に摂取しがちな方もいるかともしれませんが、生理中はできるだけカフェインの摂取を控える方が安心でしょう。

食べ物に注意

生理中は多くの不調が生じやすくなります。不調を感じた場合は、ただ闇雲に食品に頼るよりも医療機関を受診し、問題がなければ食生活を改善するよう意識しましょう。また、栄養バランス全般も考えたうえで、冷たい食べ物はできるだけ控えることも大切です。

生理は自然のデトックス!うまく付き合って効果的なデトックスをしよう

生理は、剥がれ落ちた子宮内膜や膣の古い細胞などを定期的に身体の外に排出される現象であり、女性にとって自然の「デトックス」といえます。生理中はあらゆる不調に悩む女性も多いですが、不調とうまく付き合って効果的なデトックスができるよう心がけましょう。

生理の不調は食事や入浴、運動などの生活習慣によって和らぐ可能性があります。今回紹介したおすすめ食材や対策、注意点を参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

成田亜希子

2011年国立大学卒、医師免許取得。総合診療医として幅広い分野の診療に携わってきた。「見た目のコンプレックス」を抱える患者さんのお役に立ちたいと美容医療の場でも研鑽を積み、現在は美容系クリニックの主任医師を勤める。

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