いまさら聞けない?火災保険の必要性と入り方について解説します

住宅の購入や引っ越しのときなど、火災保険の加入を検討する機会は多いものの、「本当に加入した方がいいのかな?」と悩む人も多いのではないでしょうか。火災保険は各商品によって補償対象や範囲が異なるため、あらかじめきちんと調べておく必要があります。

今回の記事では火災保険の必要性をはじめ、補償対象や補償範囲、加入時のポイントなどについて解説します。

この記事の監修者

金指 歩

保険のプロ

編集者・ライター。編プロ組織『となりの編プロ』代表。 大学在学中にFP3級を取得し、新卒で入社した大手信託銀行に4年半勤務。 住宅ローンや投資信託の営業、法人向け預金商品の営業や研修などを担当したのち、 不動産関連会社へ転職。その後証券会社、IT企業を経て、2017年よりフリーライターとして、 2020年頃より編集者として活動。金融系記事やビジネス系記事を多く制作している。
https://write-edit-kana.com

火災保険の必要性は

結論からいえば、火災保険の必要性は極めて高いといえるでしょう。総務省消防庁の調査結果によれば、2022年度の建物火災が20,167件も発生し、2021年年度における火災1件あたりの損害額は約500万円となっています。火災で家が全焼あるいは半焼し、建て直しが必要となればさらに大きな金額が必要であり、住宅ローンが残っていれば、その支払いも一緒に負担することになるでしょう。

また、隣家からの延焼であっても金銭的負担が生じる恐れがあります。日本には「失火責任法」という法律があり、失火者に重大な過失がある場合を除いて、相手に損害賠償責任を問うことはできません。万が一、延焼によって自分の家が燃えたとしても建物の再建費用はもちろん家財の購入費用については自分の貯蓄を切り崩さなければなりません。

こうした際に役立つのが「火災保険」です。火災保険に加入しておくことで自宅で火災が生じた際はもちろん、隣家からの延焼で被害が生じた際も補償を受けられます。

火災保険の必要性については以下の記事で詳しく解説しています。

火災保険の必要性は高い?火災のリスクや未加入による損失

2023.10.31

分譲マンションの火災保険は必要?入らないことによるリスクは?

2023.10.24

火災保険の補償対象

火災保険に加入する際は上記の3パターンの中から、希望する補償対象を選択することになります。賃貸の場合は原則「家財のみ」を選択します。

・建物のみ
・家財のみ
・建物と家財

ここでいう「建物」とは建物だけを指すわけではなく、備えつけの冷暖房や浴室、洗面台なども建物として含まれます。特約を付加すれば門や塀など建物に付属しているものを該当します。ただし保険によっては、特約を付加せずとも補償の対象となっているケースもあります。

「家財」については基本的に電化製品や家具、衣類や食器など生活に欠かせないものが該当します。引っ越し時に持ち運ぶ必要性があるものと考えると、イメージしやすいでしょう。この際、1個または1組あたりの価額が30万円を超える貴金属や宝石、美術品といった明記物件は、契約時に申告しておかなければ保険の対象とならない点にも注意が必要です。申告していなかった場合の扱いは保険会社によって異なるので、詳細をあわせて確認しておくとよいでしょう。

また、火災保険の補償範囲は火災だけにとどまらず、落雷や洪水といった自然災害による被害も補償範囲に含まれます。保険会社によって多少の違いはあるため、加入前に補償範囲の詳細に目を通しておくことが大切です。

火災保険の補償内容については以下の記事で詳しく解説しています。

家財保険は必要ない?家財保険で補償を受けられるパターンを紹介

2023.11.14

地震保険と火災保険の違いは?補償内容と必要性を解説

2023.10.10

類焼や延焼の補償は類焼損害補償特約で!必要性も解説

2023.11.28

火災保険の入り方

ここでは火災保険の入り方について、持ち家を基準に解説します。

火災保険の対象を決める

火災保険で損害を補償してもらうためには、損害を受けたものが保険の対象に含まれていなければなりません。そこで、先述したように火災保険の対象を「建物」「家財」「建物と家財」のいずれかで契約しておく必要があります。万が一のことを考えたうえで、家族とよく話し合って決めるようにしましょう。

構造級別を確認する

火災保険の保険料は建物の構造によって異なるため、補償の対象となる住まいの構造階級についても確認する必要があります。建物の耐火性が強いほど保険料が安くなる傾向にあり、その基準となるのが「構造階級」です。構造階級は建築基準法などの法令上の「建物の性能」と、木造やコンクリート造などの「建物の種類」の2つによって判定されます。納税や不動産取引などの書類で構造階級を確認できます。詳しいことがあまりわからないという人は建築元の住宅メーカーに問い合わせるとよいでしょう。

建物の保険金額を決める

火災保険では発生した損害額が実費で補償されます。そのため、加入時に設定する保険金額は建物評価額と同額にしておくことが大切です。また、火災保険上の建物の価値(建物評価額)は実際の不動産取引における市場価格とは異なるため、信頼できる損害保険会社や代理店に算出してもらうとよいでしょう。

なお、建物評価額の評価基準は「新価(再調達価額)」と「時価」の2つあります。

新価:同じ物件を新たに建築する場合、または購入する際に必要となる金額
時価:新価から経年劣化による価値の減少と、使用に伴って消耗した分を差し引いた金額

このうち、時価で立て直しの際に必要となる費用をカバーできない恐れがあるため、新価で契約することをおすすめします。このような理由から、昨今では「新価」での契約とする場合がほとんどです。

家財の保険金額を決める

家財の総額は家族構成や年齢、家の広さなどによって大きく異なります。家財の保険金額を設定する際は、家の中にある家財をすべて買い換えた場合、

大体いくらかかるのかを考えておきましょう。また、一般的に家財の保険金額は自由に設定できますが、保険金額を高くすればするほど月々の負担額も上がります。他の保険と同様に家計を圧迫しない程度の保険料にとどめておきましょう。

保険期間を決める

火災保険の保険期間は最長で5年間です。3年や5年と保険期間が長期にわたるほど保険料の支払総額は割安になり、更新の手間も省けます。ただし、長期契約にすると1回の支払い負担が大きくなることに加え、保障内容の見直しの機会が減る点がデメリットといえるでしょう。住環境の変化と保障内容のミスマッチを防ぐためにも、定期的に保障内容が見合っているか確認することが大切です。

火災保険の選定ポイント

火災保険を選ぶ際は、いくつかのポイントを踏まえておくことが大切です。

補償範囲を確認する

パッケージ化された保険の多くは火災や水害、盗難など住宅や家財を取り巻くさまざまなリスクに対する補償が一通りそろっていますが、建物の構造や所在地によってはすべての補償が必要ではありません。

たとえば、マンションの高層階を購入した場合、台風や集中豪雨による浸水などの被害に遭うことは考えにくいでしょう。そのため、「水災」を外して月々の支払い保険料を安く抑えるのもひとつの手です。自分の住まいに必要な補償は何かを見極めたうえで契約に踏み込みましょう。

地震保険を付帯するか考える

火災保険は火災以外の自然災害で被害が生じた際も補償の対象としている一方、地震に伴って発生した火災は補償の対象外です。地震や噴火、津波による損害も補償対象とする場合、「地震保険」に加入しなければなりません。その際、地震保険は単独で申し込めず、火災保険とセットのみで申し込みができない点に注意が必要です。

地震保険は保険料が比較的高く設定されていることもあり、加入するか否か悩む人もいるかもしれませんが、日本は地震大国といわれています。2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震など、甚大な被害を受けたケースもあるので、地震保険の加入はほぼ必須といえるでしょう。

複数の保険会社で見積もりを取る

新築住宅の場合、購入先の不動産会社が提携している保険会社をすすめられるケースが多く見受けられます。マイホーム購入時は忙しいこともあり、保険の契約を不動産会社などにおまかせしがちです。しかし、複数の保険会社に見積もってもらうことで手頃な保険料で、同程度の補償をつけることもできるので、見積もりを複数の保険会社で依頼しましょう。

共済については以下の記事で詳しく解説しています。

火災保険と共済ならどちらに加入するべき?違いはなに?

2023.12.12

火災保険に入る際の注意点

最後に火災保険に入る際の3つの注意点を解説します。

保険は安さだけで選ばない

保険料をなるべく抑えたいという思いで、月々の保険料が安いものを選んだり、補償範囲を狭めたりする人もいるかもしれません。しかし、火災保険に限らず保険を選ぶ際に安さを優先して選んでしまうと、万が一の際に十分な補償を受けられず後悔する恐れがあります。そのため、火災保険を選ぶ際は補償内容と保険料のバランスを十分に考えたうえで、加入する商品を決めることが大切です。

申し込みの際は正確な情報を記載する

保険加入時にはいくつかの書類を記入することになりますが、正確な情報の記載を心がけましょう。誤って事実と異なる事項を告知したり、補償内容が重複する他の保険に加入していることを申告し忘れたりすると、保険金が支払われない可能性が発生したり、最悪の場合には契約が解除になったりすることもあります。そのため、正しく記載するだけでなく、申込書の写しは保険証書が到着するまで手元で保管しましょう。

保険料の支払いが遅滞しないように気をつける

保険料の払い込みがない場合、損害が発生しても原則として保険金が支払われなくなってしまいます。クレジットカードの場合はともかく、口座引き落としの場合は引き落とし日に残高があるか確認しましょう。また、万が一申し込み後に解約する場合はクーリングオフの対象となる可能性があるため、前もって確認しておくと安心です。

身の丈に合った火災保険に加入しよう

今回の記事では火災保険の必要性や入り方について、解説しました。火災保険は補償内容をよく吟味したうえで、保険料とバランスの取れたプランに加入することが大切です。

火災保険を検討されている方は、お得&手軽にお小遣いを貯められるポイントタウンでのポイ活がおすすめです。

特にポイントタウンでは、生活に密着したさまざまなサービスを利用し、それをポイントタウン経由にするだけでポイントが貯まるしくみとなっています。

しかも、取得したポイントは1ポイント=1円分のお好きなサービスに交換できるので、ポイ活しながら火災保険のお支払いができます。

ぜひこちらの記事を参考に、ポイントタウンの登録をしてくださいね。

火災保険については以下をご覧ください。

火災保険申請サポート

初期費用0円、年間5,000件の調査実績で調査のプロがスピーディーに対応いたします。

この記事をシェアする

この記事を書いた人

織瀬ゆり

元信託銀行員。AFP・2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。 それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。 2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。

https://www.mama-hana.com/
  • twitter

この記事を読んだあなたへのおすすめ