ふるさと納税は、好きな自治体に寄付することで返礼品を受け取れる&税金の控除が受けられる制度。
すでに利用したことのある方や、これから利用してみようと考えている方も、多いのではないでしょうか。
しかし、そんなふるさと納税にもデメリットは存在します。
「ふるさと納税を始める前にデメリットや問題点をきちんと知っておきたい!」という方に向けて、今回は以下のポイントを解説します。
これからふるさと納税を始める方、ふるさと納税で損をしたくない方は必見です!
ふるさと納税が2023年10月に改悪されます。
「今のうちにお得にやっておきたい」という人はこちらを要チェック!
ふるさと納税の仕組み
2008年にスタートしたふるさと納税は、好きな自治体に寄付して返礼品や税額控除を受けられる制度です。
税額控除は寄付額から2,000円を引いた残りの金額で受けられます。
ふるさと納税で1万円を寄付した場合、1万円から2,000円を引いた8,000円分が控除にあてられるわけです。
2,000円の自己負担金で上記の特典が受けられる、とも言えるね♪
ふるさと納税のメリット4つ
ふるさと納税には以下のメリットがあります。
- 自治体から返礼品が届く
- 自分が応援したい自治体に寄付できる
- 寄付金の使い道がわかる&使い道を指定できる
- 所得税の還付や住民税の控除を受けられる
メリット1:自治体から返礼品が届く
ふるさと納税の最大の魅力は、寄付した自治体から返礼品が届くことです。なお、返礼品をもらわずに寄付だけ行うこともできます。
返礼品は寄付額の3割以内に相当するものと決まっており、ほとんどの場合は自己負担金2,000円以上の品がもらえます。
名産品や特産品が一般的で、例として以下のものがあるよ。
肉 / 魚 / 果物 / 野菜 / 米 / 酒 / 日用品 / 宿泊券 / 工芸品 etc…
バラエティ豊かだね♪
各自治体の返礼品はふるさと納税サイトで確認できるので、欲しい返礼品から寄付先を決めてもいいでしょう。
メリット2:自分が応援したい自治体に寄付できる
地域活性を支援したい町、過去に住んで愛着のわいた町、旅行で訪れて気に入った町など、ふるさと納税では自分が希望する自治体に寄付できます。
寄付先は1,700を超える自治体から選択可能で、複数の自治体に寄付することもできますよ。
メリット3:寄付金の使い道がわかる&使い道を指定できる
寄付金の使い道を公開している自治体もあり、その中から使い道を選択できるケースもあるようです。
さらに、クラウドファンディング型の複数の自治体が連携するプロジェクトも!産業復興や動物の殺処分をなくす活動など、さまざまなプロジェクトがあるので、応援したいものがあれば選んでみてください。
メリット4:所得税の還付や住民税の控除を受けられる
前述の通り、ふるさと納税では所得税の還付や住民税の控除を受けられます。
そもそも日本には寄付金控除が存在しますが、ふるさと納税の控除もその一部です。
寄付金控除は所得控除のみに適用されますが、ふるさと納税は所得税のほかに住民税からの特例控除も適用されるという特徴があります。
ふるさと納税のデメリット6つ
続いて、ふるさと納税のデリットを見ていきましょう。
- ふるさと納税に節税や減税効果はない
- 還付や控除を受けられるのは翌年
- ふるさと納税の控除額には上限がある
- 控除を受けるには申請が必須
- 還付や控除を受けられるのは寄付した本人のみ
- 自分が住む自治体からは返礼品をもらえない
デメリット1:ふるさと納税に節税や減税効果はない
控除と聞くと「支払う税金が減額される」と考える方もいるかもしれませんが、ふるさと納税に節税や減税効果はありません。
というのも、ふるさと納税の控除は寄付という形で次の年に支払うべき税金を前払いしているだけだからです。
税金が安くなるわけではありませんが、返礼品が目当ての方にとってはそこまで大きなデメリットにならないでしょう。
デメリット2:還付や控除を受けられるのは翌年
繰り返しになりますが、ふるさと納税の税額控除は、寄付という形で翌年の税金の一部を前払いする仕組みです。
つまり、ふるさと納税による所得税の還付や住民税の控除は、すぐには適用されず寄付した翌年に適用されます。
2023年にふるさと納税を行った場合、2024年の4月〜5月頃に還付金を受け取れて、6月以降に住民税の控除を受けられるわけです。
金銭的な余裕がなかったり適用までに大きな支出の予定があったりする場合は、ふるさと納税をするか慎重に考えたほうがよさそうだね…。
どのくらい還付・控除されたか確認する方法は?
所得税の還付金は指定の口座に入金されるため、どのくらいの金額かすぐにわかります。一方、住民税の控除は自治体から交付される「住民税課税決定通知書」を使って確認することが可能です。
住民税課税決定通知書は翌年5月〜6月に勤め先や市役所から渡されます。再発行はできないので、紛失しないよう大切に保管してください。
チェックすべき内容は以下の2点。
- 摘要欄内の寄付金控除についての記載の有無
- 控除額が寄付金から自己負担額2,000円を引いた金額と一致するか
ふるさと納税以外の控除も受けている場合は合計額が記載されるので、摘要欄で内訳を確認しましょう。
万が一、金額が違っていた場合は税務署に相談してくださいね。
デメリット3:ふるさと納税の控除額には上限がある
ふるさと納税の控除が受けられるのは限度額の範囲内です。
上限を超えた分は控除の対象外となり、すべて自己負担になるから注意してね…!
なお、控除限度額は、年収・ローンの有無・家族構成などによって変動し1人ずつ異なります。
自分の控除額を把握する方法はこちらで説明しているので、ぜひチェックしてみてください。
デメリット4:控除を受けるには申請が必須
ふるさと納税の税額控除を受けるには、ワンストップ特例制度か確定申告で控除申請する必要があります。
ワンストップ特例制度とは、確定申告をしなくてもふるさと納税の税額控除が受けられる仕組みです。申請方法は「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を記入し、本人確認書類と一緒に寄付先の自治体へ送ればOK。
自治体の中には、マイナンバーカードによるオンライン申請を受け付けているところもありますよ。ワンストップ特例制度の申請期限は、ふるさと納税を行った翌年の1月10日まで。
なお、確定申告の場合は必要事項を記入した書類を税務署に提出するか、e-taxによるオンライン申告を行います。寄付先から送られてくる「寄付金受領証明書」が必要になるので、手続きを行うまでしっかり保管しておきましょう。
確定申告の提出期間は、ふるさと納税を行った翌年の2月中頃〜3月中頃までです。
ワンストップ特例制度の利用には条件がある
確定申告よりも簡単に申請できるワンストップ特例制度ですが、以下に当てはまる場合は利用できないので注意してください!
- 確定申告を行う必要がある場合
- 1年間で6自治体以上に寄付する場合
- ワンストップ特例制度の申請期限までに書類の提出が間に合わない場合
また、ワンストップ特例制度で申請する場合は以下の条件もあります。
- 1回の寄付ごとに申請を行う必要がある
- 申請した年に住民票の氏名や住所が変わった場合は、その年の間に申請先すべてに変更を届け出なければならない
ワンストップ特例制度を利用するつもりの人はしっかり覚えておこう。
ワンストップ特例と確定申告は併用できない
控除申請する際、ワンストップ特例制度と確定申告は併用できません。
特に以下のような確定申告が必要な方は、前述の通りワンストップ特例制度を利用できないので気を付けましょう。
- 個人事業主
- 給与所得が2,000万円を超える人
- 一定額以上の給与所得を2ヵ所以上から得ている人
- 副収入が年間20万円以上ある人
- 不動産収入がある人
- 医療費控除を受ける人
- 住宅ローン控除を申し込む人(2年目以降は確定申告しなくてOK)
ワンストップ特例制度の申請後に確定申告を行う必要が出てきた場合は、申請取り消し手続きは不要です。確定申告を行った時点でワンストップ特例制度の申請は無効になります。
デメリット5:還付や控除を受けられるのは寄付した本人のみ
税額控除を受けられるのは、ふるさと納税の手続きをした本人のみです。
ふるさと納税の申込者・控除申請者・支払に使うクレジットカードの名義は、すべて同じでないと税額控除は適用されないので気を付けましょう。
また、控除限度額は1人ずつ違うため、共働きの夫婦が収入を合算して世帯年収という形でふるさと納税を行っても、控除を受けることはできません。必ずそれぞれの名義で手続きを行ってください。
デメリット6:自分が住む自治体からは返礼品をもらえない
自分が住んでいる自治体に寄付して税額控除を受けることはできます。しかし、返礼品はもらえないので要注意!
返礼品目当てなら居住地と異なる市町村に寄付しましょう。
たとえば、「神奈川県横浜市」に住民票があるなら、同じ神奈川県でも横浜市以外の「相模原市」や「海老名市」であれば返礼品をもらえます。
控除限度額を把握して、ふるさと納税を賢く使おう
自身の控除限度額を把握しておけば、上限をオーバーして損をすることも防げます。また、限度額がわかれば自分にとってふるさと納税がどれだけお得かもわかるので、事前に確認しておくべきです。
ふるさと納税における、所得税と住民税の控除額の上限は以下の方法で計算できます。
所得税
(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×(所得税の税率)
住民税
【基本分】
(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)× 10%
【特例分】
➊ 特例分が住民税所得割額の2割を超えない場合
(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×(90%(基本分)-所得税率)
➋ 2割を超える場合
(住民税所得割額)× 20%
う~ん…もっと簡単にわかる方法ってないの?
それなら、ふるさと納税サイトのシミュレーションツールの利用がおすすめ!
控除上限額シミュレーションツールを使えば、大体の収入や家族構成を入力するだけで目安の控除限度額がすぐにわかります!
さらに、ふるさと納税サイトや総務省のサイトには、年収や家族構成ごとに上限額の目安をまとめた早見表も掲載されているので、そちらを参考にするのもいいでしょう。
シミュレーションの結果、控除限度額が7,000円以下の場合はふるさと納税のメリットが少ないと言えます。
なぜなら、返礼品は寄付額の3割以内の価値だからです。7,000円の寄付に対する返礼品は約2,100円相当になるため、自己負担額とほぼ同じになってしまいます。
ふるさと納税の税額控除は、寄付した年の収入にかかる税金が対象
実際の控除限度額はふるさと納税を行った年の収入から算出されます。
大体の年収が判明する年末は別として、ほとんどの場合は前年の収入を参考に限度額をシミュレーションすることになるでしょう。
収入が変わらなくても、経費や控除額により課税所得は異なります。したがって、前年の収入から算出した控除限度額はあくまで参考程度としてくださいね。
ふるさと納税したほうがいい人&しないほうがいい人とは?
結局、ふるさと納税はしたほうがいいの?しないほうがいいの…?
ふるさと納税をしたほうが得になるか・損になるかは人によって異なるよ!
ふるさと納税を「したほうがいい人」「しないほうがいい人」の特徴をまとめたので、自分がどちらに当てはまるかチェックしてみてください。
ふるさと納税したほうがいい人
ふるさと納税を行うことで得する人は以下の通り。
- 住民税と所得税を納めている人
- 収入が高い人
- ほかの控除を受けていない人
ふるさと納税で控除されるのは住民税と所得税なので、この2つを納めている人にしかメリットがありません。
所得税と住民税は収入で決まり、収入が多ければ控除限度額も上がりお得になります。また、寄付額に関係なく自己負担金は2,000円なので、高額寄付できる人は自己負担率の割合も低くなりますよ。
医療費控除や住宅ローン控除など、ほかの控除を受けていなければ、ふるさと納税の控除を十分に受けられるでしょう。逆にほかの控除が大きいと、ふるさと納税の控除限度額が下がりお得度も減ってしまう場合があります。
一定の収入があるうえで、応援したい自治体がある人や返礼品の中に欲しいものがある人も、ふるさと納税をやったほうがいいと言えるでしょう。
ふるさと納税しないほうがいい人
ふるさと納税を行うことで損する人は以下の通り。
- 住民税と所得税を払っていない人
- 収入が低い人
- ほかの所得税控除を受けている人
- ふるさと納税をした年に退職し、給与所得が減った人
- 返礼品目当てだけど、5,000円しか寄付できない人
ふるさと納税で受けられる控除は住民税と所得税です。そのため、住民税と所得税を払っていない人がふるさと納税を行ってもメリットはありません。
また、収入が低い人(目安:年収150万円以下)も、メリットがないどころか損してしまう可能性もあるので、ふるさと納税はしない方が良いと言えます。
ただし、家族構成や共働きかどうかによってふるさと納税の寄付上限額が変わるため、まずは控除上限額シミュレーションツールで確認しましょう。
なお、自分の年収に対してご寄付上限額が7,000円以下の場合は損する可能性が高いです。
続いて、退職して給与所得が減った人が、その年にふるさと納税をすることがおすすめできない理由は、給与所得と共に翌年の住民税が下がるからです。その結果、ふるさと納税の税額控除を十分に受けられない恐れがあります。
なお、退職金で年収が増えても退職所得控除により、ふるさと納税の控除限度額が大幅に上がることはありません。
最後に、5,000円しか寄付できない人もふるさと納税はおすすめできません。返礼品は寄付額5,000円以上でもらえるケースが多く、寄付できる限度額が低いと選べる返礼品は少なくなるからです。
2023年10月にふるさと納税が改悪される?
総務省は2023年10月〜2024年9月の期間において、2点の内容改正を発表しました。
実は、その内容が「改悪」だと言われているのです。どんな内容なのか見ていきましょう。
改正内容 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
募集適正基準 | 返礼品は寄付額の3割以下、送料や事務費などの経費の総額は5割以下に制限 | ふるさと納税にかかる経費の対象を増やし、経費の総額を寄付額の5割以下に制限 |
地場産品基準 | 地元で熟成・加工した食品であれば、原材料はほかの都道府県のものを使っても、返礼品として認める | 一部加工品について、該当自治体と同じ都道府県産の原材料を使っているものに限り、返礼品として認める |
この改正を見る限り、ふるさと納税の経費がかさんで、返礼品の規制も厳しくなることが予想されています。
つまり、改正後は返礼品が減ったり返礼品をもらえる寄付金額が上がったりする恐れがあるってことだよ!
ふるさと納税するなら10月までに始めよう!
制度改正によるデメリットは前述の通り、返礼品の種類が減ったり、寄付金額が上がったりすることです。
それに加え、毎年11月末〜12月は、ふるさと納税の応募が増え自治体も手続きで忙しくなります。その結果、ネットがつながりにくくなったり、狙っていた返礼品が品切れになったりすることもあるでしょう。
また、ワンストップ特例制度で控除申請する場合は、翌年の1月10日までに書類を提出する必要があります。期限に間に合わなかった場合は、本来提出する必要がなくても確定申告をしなければいけません。
これらのトラブルを避けるためにも、ふるさと納税は余裕をもって応募するのがベターです。特に2023年は10月から制度が改正されるので、その前の9月中に手続きを終えるのが理想でしょう。
ふるさと納税の始め方
ここで、ふるさと納税の大まかな流れを見てみましょう。
- 控除限度額を確認
- ふるさと納税を行うサイトを決める
- 寄付する自治体や返礼品を決める
- 応募して手続きを行う
- 返礼品と寄付金受領証明書が届く
- 確定申告またはワンストップ特例制度で控除申請をする
寄付額の上限はトータルで考えるため、同じ自治体へ複数回に分けて寄付してもOKです。
ふるさと納税の失敗例
ふるさと納税のよくある失敗例と対策&対処法をまとめました。
失敗例 | 対策&対処法 |
---|---|
限度額を超える寄付をして自己負担金が増えてしまった | 限度額を事前にシミュレーションして把握しておく |
返礼品を受け取った後、控除申請しなかった | 確定申告なら、提出期限の5年以内に「更正の請求」という手続きで控除申請が可能 |
ワンストップ特例を利用する予定だったのに、寄付先が5自治体を超えてしまった | 確定申告に切り替える |
寄付金受領証明書を失くしてしまった | 寄付先の自治体に問い合わせる※基本的に再発行は不可 |
初めてふるさと納税を行う方は、同じ失敗をしないようにしっかり確認しておきましょう。
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---|---|
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ポイントタウンについてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もチェック!
ふるさと納税するならポイントタウンで決まり!
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