ふるさと納税とは
ふるさと納税とは、地方振興を目的とした制度で、個人が自身の故郷や応援したい地方自治体に寄付を行うことで、寄付金額の一部が所得税や住民税から控除されたり、返礼品を受け取れる制度になっています。
これにより、遠く離れた地域を経済的に支えるだけでなく、その地域の魅力を実感することもできます。
本記事では、ふるさと納税の基本概念をわかりやすく解説し、具体的なメリットと税金控除制度を解説します。
ふるさと納税の仕組み
(1) 地方自治体への寄付
ふるさと納税の第一歩は、地方自治体への寄付です。この寄付は、自分が生まれ育った地域だけでなく、支援したい地方自治体を自由に選ぶことができます。たとえば、気に入った特産品を生産している地域や、自然災害などで支援が必要な地域などを選ぶことも可能です。
また寄付する金額も自由に設定することができ、2,000円からでも寄付を始めることができます。
以下は、ふるさと納税の仕組みを簡単に示したものです。
- 寄付を希望する地方自治体を選択
- 寄付金額を決定
- 地方自治体へ寄付
これらのステップを踏むことで、本来支払わなければならない税金の一部を自分の選んだ地方自治体への支援に充てることができます。
(2) 税金控除制度
ふるさと納税の大きな魅力の一つが、税金控除制度です。これは、ふるさと納税を行うと、その寄付金額が所得税及び住民税から控除されるという制度で、実質的な負担を軽減することが可能です。
例えば、年収500万円の独身の方が、6万円分のふるさと納税をした場合、控除される税額は6万円-2,000円 =5万8,000円です。
具体的には、年間の所得額や扶養人数により変動しますが、一定の上限額までの寄付金額は全額控除対象となります。
また、寄付をした地方自治体からは「お礼の品」が贈られますが、その価値は寄付金額の3割までが控除対象となります。つまり、寄付金額とお礼の品の価値を合計した金額が、税金から控除されることになります。
このように、ふるさと納税の税金控除制度は、寄付を行いつつも経済的な負担を軽減することができる大きなメリットとなっています。
(3) 寄付金額に応じた地方特産品の”お礼の品”
地方自治体にふるさと納税を行うと、地域特産品などの”お礼の品”がもらえるという特典があります。このお礼の品は、寄付金額に応じて選ぶことができ、種類や金額には各自治体ごとに大きな差があります。
例えば、1万円の寄付であれば、新鮮な野菜セットや地元の伝統工芸品などが選べる地域もあります。また、10万円以上の寄付では、高級和牛や地元の名産品セットなど、豪華なお礼の品が用意されている自治体もあります。
このような”お礼の品”は、寄付者が地域の特産品を手に入れることで地元産業を支援するという、ふるさと納税ならではのメリットとも言えます。ただし、お礼の品を選ぶ際は各自治体の提供する品目や内容をよく確認し、自身にとって最適な選択をすることが重要です。
ふるさと納税のメリット
(1) 地方振興に寄与
ふるさと納税の一番の特徴とも言えるのが、地方振興への寄与です。これは、あなたが寄付したいと思っている地方自治体に直接、お金を寄付することができるという点にあります。
具体的には、以下のような形で地方自治体の振興を支援します。
- 地域の資源活用:特産品の生産や観光業など、地元の資源を活用した事業に活用されます。
- 子育て支援:子育てや教育に関する施策に使われ、子供たちの将来を支えます。
- 地域づくり:活動やイベントの開催、地域の文化・伝統の継承等に使われ、地域の魅力を高めることが可能です。
これらの活動は地方自治体の活力を保つ上で必要不可欠なもので、あなたの寄付が地方振興に大いに貢献することになります。
(2) 税金負担軽減
ふるさと納税の大きなメリットの一つに、「税金負担軽減」があります。これは、ふるさと納税を行うと、その寄付金額に応じて所得税や住民税から一定額が控除されるという仕組みです。
ただし、この控除は一定の上限があり、超えた分は控除されません。この上限は年収や扶養家族の数などにより変動します。
この税金控除制度を理解し活用することで、賢く節税しながら地方振興に貢献することが可能になるのです。
詳しい目安金額については、こちらをご確認ください。
(3) 地方特産品の入手
ふるさと納税の魅力の一つが、地方特産品の入手です。寄付した自治体からは、その地域ならではの特産品を「お礼の品」として受け取ることができます。
例えば、北海道なら新鮮な海産物、福岡なら地酒や特産の明太子、奈良なら新鮮な野菜や果物など、全国各地の自慢の特産品を楽しむことができ、味覚の旅を満喫することが可能です。
また、一部の地方自治体では、寄付金額に応じて選べる特産品の種類も豊富。食品だけでなく、工芸品や体験型のお礼の品などもあります。具体的には以下のようなラインアップです。
地方自治体 | 特産品 |
---|---|
北海道 | 新鮮な海産物 |
福岡 | 地酒、明太子 |
長野 | リンゴ、蕎麦 |
奈良 | 新鮮な野菜や果物 |
このように、ふるさと納税を通じて日本全国の魅力を発見できるのも大きなメリットです。
ふるさと納税の税金控除制度の具体例
(1) 所得税・住民税の控除例
ふるさと納税の大きなメリットとして、所得税と住民税の控除があります。この制度を活用することで、あなたが地方自治体に寄付した金額の大部分が税金として還付されます。
所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の40%が上限です。
住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%
控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。
※住民税からの控除には「基本分」と「特例分」がありますが、こちらでは「基本分」の計算方法をご紹介します。
このように、ふるさと納税は節税対策としても非常に有効な制度と言えます。
※具体的な計算は、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
(2) 控除額の上限金額について
ふるさと納税の税金控除は一定の上限があり、ふるさと納税寄附金から自己負担額の2,000円を除いた全額が、控除額となります。
例:年収500万円の独身の方の場合 控除上限目安61,000円
これがふるさと納税の上限額となります。つまり、この金額までならばふるさと納税を行い、それに応じた特産品を受け取りつつ、税金控除の恩恵を享受することができます。
詳しい目安金額については、こちらをご確認ください。
ふるさと納税を活用方法
(1) ふるさと納税サイトを選ぶ
ここでは筆者のおすすめふるさと納税サイトをご紹介します。
各サイトによって特典や掲載されている自治体なども異なりますので、是非自分にあったふるさと納税サイトを見つけてみてください。
ふるさと納税サイト | 掲載自治体数 | ふるさと納税サイトの 還元 |
---|---|---|
ふるさと納税専門サイト「ふるなび」 | 1,098 | 最大20% |
マイナビふるさと納税 | 140 | 10%還元 (Amazonギフトカード) |
【さとふる】ふるさと納税サイト | 1,221 | – |
楽天市場【ふるさと納税】 | 1,597 | 最大30% |
ふるさとチョイス | 1,640 | 最大20% |
(2) 寄付する地方自治体とお礼品を選ぶ
ふるさと納税を活用する上で、重要なポイントの一つが寄付する地方自治体の選び方です。自治体によって、提供されるお礼の品や活用される寄付金の使い道が異なります。
まず、寄付を検討する地方自治体の情報を調査します。公式ウェブサイトやふるさと納税情報サイトを活用し、各自治体の提供するお礼の品の内容や、寄付金の活用プランをチェックしてください。特産品に興味がある場合や、特定の地域振興に賛同する場合には、その点を重視すると良いでしょう。
また、地元への愛着や思い入れも選択の一因となります。故郷や思い出深い地域へ寄付し、その地域の発展を応援することも可能です。
選んだ自治体へ寄付を行った後も、その活用状況は公開されているので、寄付後のフォローアップもお忘れなく。
(3) オンラインでの手続き方法
ふるさと納税の手続きは、オンラインでシンプルに行うことができます。
以下に手続きの流れをまとめました。
- ポイ活サイト(ポイントタウン※)から好きな「ふるさと納税サイト」を訪れる
- 寄付自治体と金額を選択
- お礼の品を選択
- 支払い方法を選択
これらの手続きを経ることで、あなたもふるさと納税を活用することができます。
※1 ポイ活サイト(ポイントタウン)を経由してふるさと納税サイトへいくことで、さらに下記表にあるポイント還元が受けられてお得になりますので、是非チェックしてください。
ふるさと納税サイト | 掲載自治体数 | ふるさと納税サイトの 還元 | ポイ活サイト ポイント還元 |
---|---|---|---|
ふるさと納税専門サイト「ふるなび」 | 1,098 | 最大20% | 1% |
マイナビふるさと納税 | 140 | 10%還元 (Amazonギフトカード) | 2% |
【さとふる】ふるさと納税サイト | 1,221 | – | 1% |
楽天市場【ふるさと納税】 | 1,597 | 最大30% | 1% |
ふるさとチョイス | 1,640 | 最大20% | 0.5% |
(4) 確定申告について
ふるさと納税を行ったら必ず知っておきたいのが「確定申告」です。ふるさと納税した金額は、確定申告をすることで税金控除の対象になります。
具体的には、ふるさと納税の金額を確定申告書の「寄附金控除」の欄に記入します。確定申告は、毎年2月16日から3月15日までに行う必要があります。
寄附金控除の記入欄 |
---|
寄附金の額 |
寄附を行った地方自治体名 |
寄附を行った年 |
しかし、サラリーマンや公務員で給与所得者の方々は、年末調整により寄附金控除が計算されるため、確定申告は必須ではありません。ただし、寄附金額が上限額を超えてしまった場合や、複数の地方自治体に寄附した場合などは、確定申告を行うことで過払い税の還付を受けることができます。
ふるさと納税の魅力と活用方法まとめ
ふるさと納税の魅力は主に3つ。
1つ目は、自分が支援したい地方自治体を選び、その振興に寄与できる点です。
2つ目は、寄付金額の一部が税金控除として還元されるため、税金負担を軽減できる点。
そして3つ目は、寄付金額に応じて地方特産品を受け取れる点です。
活用方法は以下の通りです。
- 支援したい地方自治体の選び方:自分が応援したい地域を選びます。また、“お礼の品”でも選ぶことも可能です。
- オンラインでの手続き:専用のウェブサイトから手軽に寄付ができます。ポイ活サイトを経由してお得に申し込みをしましょう
- 確定申告:年末の寄付金額に応じて所得税・住民税が控除されます。そのため、確定申告は必須となります。
本記事ではふるさと納税について、ご紹介しました。
ふるさと納税をより理解し、この記事が、ふるさと納税を始める一歩となることを願っています。