法人口座開設の審査は厳しいと言われています。
中には、「審査に落ちたらどうしよう」「開設できる自信がない」と思っている方もいるでしょう。
しかし、その理由がわかれば対処ができるので、法人口座を作れる可能性を上げることが可能です。
そこで本記事では、法人口座開設の審査が厳しいと言われる理由を3つご紹介します。
審査がゆるい銀行の存在や作れないとどうなるのか、再申し込みは可能なのかといった点についてもお伝えするので、法人口座開設を検討している方は一読ください。
法人口座開設の審査が厳しい理由は?審査がゆるい銀行はどこ?
まずは、法人口座開設の審査が厳しい理由について解説します。
また、審査がゆるい銀行の有無についてもお伝えするので、申し込みに不安を抱えている方は参考にしてみてください。
- 詐欺や不正な商行為が問題になっているから
- マネーロンダリング等の国際犯罪が問題になっているから
- 受け口が広いのはネット銀行
詐欺や不正な商行為が問題になっているから
日本国内では、詐欺や不正な商行為が問題になっています。
その中には、銀行等の法人口座が悪用されるケースもあります。
この事態を重く見た国は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を制定し、金融機関に対し取引時の確認等を義務付けたわけです。
以上の背景から、法人口座開設の審査は厳しくなっています。
マネーロンダリング等の国際犯罪が問題になっているから
近年、日本のみならず世界的に見ても、法人口座がマネーロンダリング等の犯罪行為に使われるケースが増えています。
マネー・ローンダリングとは、犯罪によって得た収益を出所や真の所有者が分からないようにして、捜査機関等による収益の発見や検挙等を逃れようとする行為です。
このマネーロンダリング等の使用が増えたため、国際間合意である「FATF(Financial Action Task Force)」が策定され、日本でも厳しく取り締まるようになりました。
事業内容が不明瞭だったりバーチャルオフィスを利用していたりすると、「不正利用されるのでは?」と疑われて審査落ちする可能性が高くなるというわけです。
受け口が広いのはネット銀行
法人口座と言っても種類は様々です。
- 都市銀行
- ゆうちょ銀行
- ネット銀行
- 地方銀行
- 信用金庫
メガバンクと呼ばれる都市銀行は審査が厳しい代わりに、法人口座を開設しておけば取引先への信用力をアピールできます。
ゆうちょ銀行も知名度・信用度ともに高く、審査もメガバンクより通りやすいとされています。
地方銀行は、地域密着型として営業しているため、特定地域内での取引が多い事業者には向いているでしょう。
信用金庫は、特定の地域の中小商工業者・勤労者のための金融機関であり、審査の厳しさは地方銀行と同レベルです。
しかし、この中で最も審査に通りやすいのはネット銀行です。
使い勝手に優れており、ベンチャー企業や創業期の事業者でも法人口座を開設できる見込みがあるので、審査に不安を抱えている方はネット銀行を選ぶと良いでしょう。
ただし、社会的信用度はネット銀行が最も低いので、他の金融機関の審査に通る可能性があるなら、まずはそちらを検討してみてください。
法人口座開設の審査が厳しい!審査落ちで作れない・断られる理由とは?
続いては、法人口座の開設で審査に落ちる理由について解説します。
- 事業内容が不明瞭
- 資本金が極端に少ない
- 合同会社
事業内容が不明瞭
事業内容が不明瞭だと、法人口座の開設ができない可能性があります。
その理由は、金融機関側が「不正利用されるのでは?」と疑いの目を向けるからです。
特に近年は、詐欺行為やマネーロンダリング等の犯罪防止策が強く求められているため、疑惑の域を出ない場合でも不正利用のリスクがある以上は開設を見送ります。
法人口座を開設する際は、第三者が見てもわかるように事業計画書を作成し、しっかり内容を伝えられるようにしておきましょう。
資本金が極端に少ない
資本金が極端に少ない場合、法人口座の開設ができない恐れがあります。
その理由は、ペーパーカンパニーではないかと疑われるからです。
確かに、日本では資本金1円から会社を設立できます。
しかし、法人口座を開設したいなら100万円程度はあった方が良いでしょう。
合同会社
株式会社でも合同会社でも法人に変わりないため、法人口座の開設は可能です。
しかし、前述の通り金融機関は信用度を調査する必要があるため、合同会社の場合はどうしても審査通過が厳しくなります。
とはいえ、極端に開設難易度が上がるわけではないので、しっかり事業計画書を作成し、まとまった資本金を用意すれば問題ないでしょう。
法人口座開設の審査が厳しい!作れないとどうなる?再申し込みできる?
法人口座が作れない場合、以下のようなデメリットが生じます。
- 資金管理が面倒になる
- 事業者ローンの審査に通りにくくなる
- 取引先からの信用を得にくい
しかし、個人口座でも事業者として活動はできます。
また、一度審査に落ちたからと言って再申し込みができないわけでもありません。
開設を断られた金融機関以外で申し込めるのはもちろん、審査落ちした金融機関でも再度チャレンジは可能です。
1回審査に落ちたからと言って諦めるのではなく、しっかり準備を整えて再申し込みしてみてください。
法人口座開設の審査が厳しいとお悩みの方にはGMOあおぞらネットなどネット銀行がおすすめ
法人口座開設の審査が厳しいとお悩みの方には、以下の2つの金融機関をおすすめします。
- GMOあおぞらネット銀行
- 住信SBIネット銀行
GMOあおぞらネット銀行
「GMOあおぞらネット銀行」は、創業期や赤字決算の事業者でも開設できる法人口座が人気を集めています。
また、バーチャルオフィスでも申し込める他、固定電話がなくてもOKなので、幅広い事業者が使える仕様となっています。
さらに、手数料の安さにも定評があります。
他行宛が一律145円と業界最安値水準を誇っているだけでなく、「振込料金とくとく会員」になれば1件当たり129円という低コストで取引可能です。
申し込みは24時間365日WEBから受け付けているので、忙しい方でも隙間時間に気軽に手続きできるでしょう。
ちなみに、提出書類はネット上でアップロードできるため、店舗や郵便局に足を運ぶ必要がありません。
口座維持費 | 無料 |
振込手数料 | 当行宛:無料他行宛:一律145円(振込料金とくとく会員は129円/件)毎月20回まで他行宛無料 |
口座開設時間 | 最短即日 |
オンライン完結 | 〇 |
ビジネスローン金利 | 年利0.9〜14.0% |
融資枠 | 1,000万円 |
住信SBIネット銀行
「住信SBIネット銀行」は、最短翌営業日から使える法人口座を提供しています。
最大の特徴は提出書類の少なさです。
他の銀行が「事業計画書」や「印鑑登録証明書」「履歴事項全部証明書」等の提出を求める中、住信SBIネット銀行は運転免許証だけで申し込めます。
必要書類
代表者の本人確認書類(運転免許証)のみ
※ 登記簿謄本や印鑑証明書などの書類は不要です。
書類の用意に手間と時間を取られる心配がないため、仕事が忙しい方やコア業務に支障をきたしたくない方でも無理なく申し込めるでしょう。
また、振込手数料が安いのも魅力の一つです。
振込金額にかかわらず一律145円で、「振込優遇プログラム」を利用すれば、他行宛の振込件数に応じて手数料が最安130円になります。
低コストで振込できるので、無駄な費用をかけたくないなら住信SBIネット銀行がおすすめです。
口座維持費 | 無料 |
振込手数料 | 当行宛:無料他行宛:一律145円 |
口座開設時間 | 最短翌営業日 |
オンライン完結 | 〇 |
ビジネスローン金利 | 年利0.9〜14.0% |
融資枠 | 3,000万円 |
法人口座開設の審査が厳しい!審査に通りやすくするポイント
法人口座の審査に通りやすくしたいなら、以下のポイントを押さえるようにしてください。
- 事業内容を明確化する
- 書類の不備をなくす
- 事務所や固定電話を用意する
まずは、事業内容を明確化して、第三者でも理解できるような説明をしてください。事業計画書を作成しておけば説得力が増すので、法人口座を開設しやすくなります。
次に、書類に不備があると法人口座は開設できません。特に、法人化して間もない場合は、登記情報が確認できず審査落ちとなるケースがあります。
申し込む際は、必ず書類を確認したうえで登記情報に誤りがないかチェックしてください。
最後に、バーチャルオフィスや携帯電話のみだと、不正利用が疑われて審査に落ちやすくなります。
反対に事務所や固定電話を用意すれば、法人としての実態が掴みやすいため審査では有利です。
可能な限り、事務所や固定電話は用意するようにしてください。
以上の点を押さえて申し込めば、法人口座の審査に落ちる確率をグッと低くできます。
まとめ
法人口座開設は、詐欺や不正な商行為、マネーロンダリング等の犯罪行為の利用を防ぐため審査が厳しく行われます。
そのため、正当な理由で使う場合でも以下に該当していると、審査に落ちる可能性があります。
- 事業内容が不明瞭
- 資本金が極端に少ない
- 合同会社
また、金融機関によっても審査の厳しさは異なります。
どうしても審査への不安を拭えないなら、今回ご紹介した「GMOあおぞらネット銀行」か「住信SBIネット銀行」を選ぶと良いでしょう。