つみたて(積み立て)NISAの始め方5ステップ!始めた後の注意点も

「つみたて(積み立て)NISAってどうやって始めたらいいの?」

「金融機関や銘柄の選び方が知りたい」

あなたは今、つみたてNISAを始めたいと思っていますね。

つみたてNISAは、2018年から始まった少額投資非課税制度のことです。年間40万円を上限に、購入した投資信託の利益が、最大で20年間、非課税となります。

つみたてNISAの始め方は簡単で、下記の5つのステップを踏むことで、誰でも簡単に始めることができます。

つみたてNISAは、始め方次第で後々の利回りが大きく異なってくるため、取り扱い金融機関や購入する銘柄(投資信託)は慎重に選ぶ必要があります。

また、つみたてNISAは始めたことで満足してはいけません。あなたの大切な資産をほったらかしにせず、定期的に資産状況をチェックすることも大切なのです。

そこで今回は、下記の内容について詳しく解説していきます。

▼この記事のポイント

・つみたてNISAの始め方5つのステップを丁寧に紹介
・つみたてNISAを始めた後の注意点3つを紹介

この記事を読めば、あなたもすぐにつみたてNISAを始めることができ、安全かつ効率的に資産を増やすことができますよ。

ぜひ、ご参考ください。

目次

1.【STEP1】つみたて(積み立て)NISAを取り扱う金融機関を選ぶ

つみたてNISAを始める際にまず決めるのは、「どの金融機関を利用するか」です。

金融機関によって取り扱い銘柄やサービスには特徴に違いがありますが、つみたてNISAの口座は1人1つしか持つことができません

この章では、特に初心者の方向けに、金融機関を選ぶポイントやおすすめ金融機関をお伝えしましょう。

一つずつ解説します。

1-1.取扱銘柄の多さを考えれば「ネット証券」がおすすめ

つみたてNISAで利用する金融機関を選ぶなら、取り扱い銘柄の多いネット証券がおすすめです。

銘柄数で比較した場合、銀行や大手証券会社よりも新興のネット証券の方が、圧倒的に取り扱い銘柄が多いという特徴があります。

金融機関名つみたてNISA 銘柄数
三菱UFJ銀行12本
三井住友銀行4本
野村證券7本
大和証券26本
SBI証券195本
楽天証券192本
(2023年6月15日現在)

上の表を見ると、銀行や野村、大和などの大手証券会社に比べ、SBI証券や楽天証券などのネット証券の方が、桁違いに取り扱い銘柄が多いのです。

これからつみたてNISAを始めるなら、できるだけ取り扱い銘柄が多い金融機関を利用するほうが、取引の選択肢の幅が広がります

つみたてNISAの騰落率は銘柄によって大きく代わり、銘柄によっては年間20%以上高騰するものもあれば、20%以上下落するものもあります。

つみたてNISAはその金融機関で提供する銘柄以外に、投資商品を購入することができません。幅広い銘柄から自由に銘柄を選べる、ネット証券を選択することを是非おすすめします。

1-2.つみたてNISAでおすすめのネット証券4選

口座開設は、ネット証券による特徴や取り扱い銘柄の違いを踏まえて選びましょう。

つみたてNISAでおすすめの4つのネット証券について、それぞれの特徴を解説します。

つみたてNISAでおすすめのネット証券4選
・SBI証券 
・楽天証券
・松井証券
・auカブコム証券

◎SBI証券

出典:SBI証券

取り扱い銘柄数195本
最低積立金額100円
売買手数料無料
貯まるポイントTポイントPontaポイントdポイントVポイントJALマイル

ネット証券の中でも、取り扱い銘柄195本(2023年6月現在)と圧倒的な銘柄数を誇るのがSBI証券です。

日本で購入できるつみたてNISA対応の投資信託は、ほぼ全ての銘柄取り扱いがある上、手数料無料で投資ができます。投資初心者からある程度の経験のある人まで幅広く、高い人気を誇るネット証券です。

多くのネット証券で、銘柄購入でポイントが貯まるサービスが提供されていますが、SBI証券は銘柄購入で貯めることができるポイントも幅広く、利用しやすい点も高く評価されています。

三井住友カードを利用してクレジットカード決済で積立を行えば、100円毎にVポイントが0.5~5ポイントたまるサービスも提供されています。

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◎楽天証券

出典:楽天証券

取り扱い銘柄数192本
最低積立金額100円
売買手数料無料
貯まるポイント楽天ポイント

楽天証券はつみたてNISA取り扱い銘柄数192本(2023年6月現在)と、SBI証券に次ぐ数の多さを誇り、投資初心者から経験者まで幅広く利用しやすいネット証券です。

楽天証券のつみたてNISAは、特に楽天ポイントや楽天カードを利用する人にはメリットが大きく、下記のような様々なサービスが用意されています。

・楽天カードからの引き落としで楽天ポイントが付与される
・一定額以上の投資で楽天市場でのポイント還元率がアップする
・楽天ポイントを投資に利用できる

普段から楽天で買い物をする人には、たいへん便利なネット証券です。

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◎松井証券

出典:松井証券

取り扱い銘柄数190本
最低積立金額100円
売買手数料無料
貯まるポイント松井証券ポイント
※下記に交換可能dポイントAmazonギフト券PayPayポイント など

ネット証券に数えられる松井証券ですが、実は創業1918年、100年以上の歴史を持つ証券会社で、歴史と経験を生かした手厚いサポートが充実しています。

利用できる投資セミナーやレポートが充実し、専門の投資スペシャリストによる窓口も用意されているなど、本格的な投資相談にも対応しています。

これまで何らかの投資を行った経験があり、さらにアドバイスを得たいという方には最適な証券会社です。

松井証券では松井証券ポイントという独自のポイントが貯まります。

PayPayポイントやdポイントや、Amazonギフトカードなど、3,000種類以上の商品への交換ができ、そのまま投資に利用することも可能です。

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◎auカブコム証券

出典:auカブコム証券

取り扱い銘柄数190本
最低積立金額100円
売買手数料無料
貯まるポイントPontaポイント

auカブコム証券は三菱UFJフィナンシャルグループとKDDIが共同で運営するネット証券で、auに関連するサービスを利用する方には多くのメリットがあります。

下記のように、auが提供するPontaポイントを利用する方には、たいへん便利です。

・au PAYカードを利用してつみたてNISA銘柄を購入するとPontaポイントが貯まる
・貯まったPontaポイントを直接投資に利用できる

またauカブコム証券はkabuステーションというスマホアプリが用意されています。銘柄の購入や積立の設定がスマホアプリで簡単にできる点もメリットの一つであると言えます。

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2.【STEP2】口座開設の手続きを行う

証券会社を決定したら、その証券会社のホームページから口座開設の手続きを行っていきます。

口座開設手続きは、証券会社によって若干の違いはありますが、以下の4つの手順で行うのが一般的です。

では、一つずつ確認していきましょう。

2-1.本人確認書類、マイナンバー確認書類を用意する

つみたてNISA口座開設に必要な、本人確認書類を用意します。

一般的には、以下の書類が利用できます。必要書類は金融機関によって異なる可能性があるため、必ず口座を開設する金融機関のホームページで詳細を確認しましょう。

・マイナンバーカード
・運転免許証
・健康保険証
・パスポート
・住民基本台帳カード
・住民票の写し
・在留カード/特別永住者証明書

マイナンバーカード以外の場合、別途マイナンバーの登録が必要になります。

本人確認書類の提出はスマートフォンで撮影して画像を送るだけで完了しますので、コピーをとったりする必要はありません。

(※通知カードの場合、転入や転籍などで住所が変わった方は、別途郵送での手続きが必要です。)

2-2.金融機関ページから口座開設を申請する

次に、金融機関のホームページから口座開設を申請します。

口座開設の申請は、基本的に全てオンライン上で完結しますので、証券会社の店頭に行く必要はありません。

ページの指示に従い、個人情報を入力し、準備した本人確認書類をウェブから提出するだけで申請手続きは完結します。

また、もし金融機関に口座をすでに持っている場合は、手続きをさらに簡略化することもできます。

2-3.金融機関・税務署の審査を受ける

申請した個人情報と本人確認書類を元に、金融機関と税務署の審査が行われます。

税務署の審査は1〜2週間程度かかることを想定しておきましょう。

審査では主に、下記のような内容が確認されます。

・申告内容と本人確認書類の内容が一致しているか
・申請者の年齢(満20歳以上であるか)
・日本国内の居住者であるか
・反社会的組織に関係していないか

情報に虚偽や間違いがなければ、審査に落ちることはほぼないでしょう。

ただし、NISA口座は一つしか持つことができないため、既に別の金融機関などにNISA口座を持っている場合は100%審査を通りません。

2-4.口座開設通知を受け取る

金融機関と税務署の審査をパスすると、金融機関から口座開設通知が届きます。

ネット証券で口座開設を行う場合、申請手続きが完了してから口座開設通知が届くまでは、1〜2週間程度かかります

口座開設通知はウェブからの申請の場合、メールか郵送(簡易書留)で送られてくるのが一般的です。

口座開設通知には、取引サイトにアクセスするためのIDとパスワードが記載されています。大切に保管しましょう。

3.【STEP3】銘柄を選ぶ

つみたてNISAの口座開設が完了したら、つみたてNISAで購入する銘柄を選びましょう。

投資信託の運用成績は銘柄ごとに大きく異なるため、銘柄選びは後々の利益に直結する重大な決断になるでしょう。

しかし全く知識がない状態で約190種類もある銘柄から適切なものを選ぶのはたいへんです。

そこで、適切な銘柄の選び方とおすすめの銘柄について解説しましょう。

一つずつ解説していきます。

3-1.初心者でも失敗しない銘柄選び3つのポイント

知識のない初心者の方でもつみたてNISAの銘柄選びで失敗しないため、下記の3つのポイントについて確認しましょう。

初心者でも失敗しない銘柄選び3つのポイント
・「インデックスファンド」を選ぶ
・世界分散型の銘柄を選ぶ
・手数料(信託報酬)が低い銘柄を選ぶ

◎「インデックスファンド」を選ぶ

初心者の方は「インデックスファンド」を選ぶことをおすすめします。

つみたてNISAで購入できる投資信託は「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2つの種類に大別することができます。

▼インデックスファンド

日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、アメリカで言えばダウやNASDAQなど市場の基準となる「インデックス(指数)」に連動して価格が変動するタイプの投資信託です。
結果として幅広い銘柄に投資することになるため、値動きが安定するという特徴があります。

▼アクティブファンド

投資のプロであるファンドマネージャーが様々な調査分析の結果を元に、独自の判断で投資を行うことで、より高い利益を上げることを目指します。
投資リスクはインデックスファンドよりも大きくなり、これに比例して変動する価格の幅もインデックスファンドより大きくなります。

アクティブファンドの場合、購入には投資に対するある程度の知識が必要になります。

特に投資初心者が元本保証のない投資信託を購入する場合、最初の購入はリスクが低く安定した利益が狙える「インデックスファンド」がおすすめです。

◎世界分散型の銘柄を選ぶ

初めてつみたてNISAの投資信託を購入する場合は「世界分散型」の銘柄を選ぶことをおすすめします。

投資信託は、日本だけ、アメリカだけなど、特定の国の株や債券に投資する銘柄もたくさんあります。

国の経済状況や社会情勢などに大きく影響を受けるため、一国の状況の変化で、投資信託の価格も大きく下落する状況もありえるのです。

「世界分散型」の銘柄を選んでおけば、資産は世界中の国々に分散して投資されるため、価格が下落する何らかの事件が起きた場合も、下落のリスクを最小限にとどめることができます。

つみたてNISAで安定的に、そしてできるだけ着実に儲けることを考えたら、できるだけ幅広い投資対象に分散投資ができる「世界分散型」の銘柄がおすすめです。

◎手数料(信託報酬)が低い銘柄を選ぶ

投資信託を選ぶ際には手数料(信託報酬)ができるだけ低い銘柄を選ぶのがおすすめです。

信託報酬とは、投資信託を運用、管理するのにかかる費用のことで、投資信託がどれだけ儲けたかにかかわらず、年率で支払う必要があります。

投資信託の信託報酬は年0.1%~3%程度となっていますが、例えば信託報酬年1.0%の投資信託を10万円分保有している場合、

¥100,000 × 1% = ¥1,000 

となり、毎年1,000円の信託報酬を支払うことになります。

信託報酬の年率は銘柄によって異なるため、できるだけ信託報酬が安い銘柄を選ぶことで投資コストを抑えることができるというわけです。

信託報酬はインデックスファンドよりアクティブファンドの方が高い傾向があり、この点でも特に初心者の方はインデックスファンドの購入がおすすめであると言えます。

3-2.つみたて(積み立て)NISAおすすめ銘柄3選

それでは、これまで見てきた銘柄を選ぶための3つのポイントを踏まえて、おすすめの銘柄を3つ紹介しましょう。

   銘柄          特徴          1年間の騰落率(2023/6/15現在)3年間の騰落率(2023/6/15現在)信託報酬(手数料)
SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
・全世界の株式指数に連動
・コストの安さと投資実績両面から人気
+20.85%+80.30%0.1102%
程度
eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
・世界70カ国の株式指数に連動
・アメリカへの投資比率が大きい
+21.40%+81.88%0.1133%
以内
楽天・全世界株式インデックス・ファンド・全世界8800銘柄にバランスよく投資
・低いリスクで安定的な利益
+20.45%+80.13%0.195%
程度

これらの銘柄には、「SBI」「楽天」などネット証券の名前が入っていますが、特定の会社でしか購入できないわけではなく、1-2.独自サービスで選ぶ!つみたてNISAでおすすめのネット証券4選で紹介した全てのネット証券で購入可能です。

では一つずつ確認していきましょう。

◎SBI・全世界株式インデックス・ファンド

運用会社SBIアセットマネジメント
特徴・全世界の株式市場の動向を示すFTSEグローバルオールキャップ
・インデックスに連動することを目指して運用
・全世界にバランスよく投資
1年間の騰落率
(2023年6月15日現在)
+20.85%
3年間の騰落率
(2023年6月15日現在)
+80.30%
信託報酬0.1102%程度

「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」はSBIアセットマネジメントが提供する世界分散型のインデックスファンドです。

「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」という株価指数への連動を目指し、全世界にバランスよく投資しており、特につみたてNISA初心者におすすめの投資信託の一つです。

・信託報酬がたいへん低い(0.1102%程度)
・利回り実績が良い(1年間の騰落率+20.85%)

と、コストの安さと投資実績の高さの両方を実現していることから、口コミで多くの人の支持を集め、投資信託の規模を拡大し続けています。

◎eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

運用会社三菱UFJ国際投信
特徴・全世界70か国の株式指数をカバーする
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに
連動することを目指して運用
・アメリカへの投資比率が高い
1年間の騰落率
(2023年6月15日現在)
+21.40%
3年間の騰落率
(2023年6月15日現在)
+81.88%
信託報酬0.1133%以内

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は三菱UFJ国際投信が運営する、代表的な世界分散型インデックスファンドの一つです。

全世界70カ国の株式指数をカバーする「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」を基本として、これに連動する投資成果を目指しています。

投資先に占める新興国の割合は2割程度と低く、アメリカへの投資が資産の6割を占めるため、世界分散投資をしながらアメリカの成長を期待したいという方におすすめのファンドです。

信託報酬も0.1133%以内と低い上、直近1年の騰落率も+21.40%とたいへん良い成績を収めており、たいへん順調な投資信託の一つと言えます。

◎楽天・全世界株式インデックス・ファンド

運用会社楽天投信投資顧問
特徴・FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに
連動することを目指して運用
・全世界8800銘柄にバランスよく投資
1年間の騰落率
(2023年6月15日現在)
+20.45%
3年間の騰落率
(2023年6月15日現在)
+80.13%
信託報酬0.195%程度

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、楽天投信投資顧問が運用する、全世界にバランスよく投資できる投資信託の一つです。

アメリカや日本などの先進国から新興国まで、全世界8800の株式にバランスよく投資しており、この銘柄一つ持つだけで、世界中の株式をバランスよく保有し、世界の経済成長の恩恵を受けることができます。

信託報酬0.195%程度は、既に紹介している2つの投資信託に比べて若干高めですが、インデックスファンドの平均が0.5%程度であることを考えると十分に低いと言えるでしょう。

もちろん直近の騰落率も申し分ない成績を残しています。

4.【STEP4】積み立て金額を設定する

購入する銘柄を選んだら、次につみたてNISAに積み立てる金額を設定します。

つみたてNISAは名前の通り、決まった金額を定期的に積み立てながら投資金額を積み上げていきます。

積み立ては毎月(月1回)が一般的ですが、多くのネット証券では、毎日・毎週など積立のペースを選ぶことができるようになっています。

金額も100円から設定できるため自分が無理なく積み立てられるペースと金額を自由に設定することができます。

ただし、以下の2つのポイントについては注意する必要があります。

一つずつ解説します。

4-1.つみたて(積み立て)NISAの非課税枠は年間40万円

つみたてNISAは、非課税で銘柄を購入できる金額が年間40万円に定められています

40万円までは非課税なので、効率的につみたてNISAの制度を利用するには、できるだけ年間40万円の上限いっぱいに購入することがおすすめです。

4-2.【増額もできる】1ヶ月あたりに購入できる金額の上限は33,333円

非課税枠40万円に従うかたちで、多くの金融機関では、1ヶ月あたりに購入できる投資信託の上限が、40万円の12分の1にあたる33,333円に設定されています。

つまり、1月から毎月33,333円の設定でつみたてNISAを始めると、ちょうど非課税枠40万円を使い切るという計算になっています。

しかしこの計算はあくまでも1月から始めた場合です。例えば7月からつみたてNISAを始めた場合、その年に購入できるつみたてNISAは20万円となってしまい、非課税枠を残すかたちになってしまいます。

2023年のつみたてNISAは非課税枠が1年でリセットされるため、もし資金に余裕があるのなら、もちろん非課税枠40万円いっぱいまで投資信託を買う方がお得です。

このため年間の総額が40万円に届かない方は、金融機関のホームページなどで増額設定を行って、40万円の非課税枠を有意義に利用することをおすすめします。

毎月の積み立て金額はいくらにするべき?平均は1ヶ月当たり12,000円
つみたてNISAの年間非課税枠40万円ですが、実際には非課税枠いっぱいまでつみたてNISAに投資をしている人もあまり多くはありません。
日本証券業協会のNISA口座開設・利用状況調査結果(2023年3月31日現在)について(PDF)によると、つみたてNISA利用者の1ヶ月の当たりの平均積み立て額は12,000円程度と報告されています。
1ヶ月12,000円なら、1年間の積み立て額の合計は262,000円です。
この金額は決して少ない金額ではありません。毎年の積み立てとして考えれば十分な金額であるとも言えます。
また一般社団法人投資信託協会が行った投資信託に関するアンケート調査報告書-2021年(令和3年)NISA,iDeCo等制度編(PDF)によると、つみたてNISAを利用する人の希望積立金額は1ヶ月あたり18,000円という結果も出ています。
積み立て金額が決められなくて悩んでいる方は、これらの金額を目安とするのも一つの方法と言えるでしょう。

5.【STEP5】設定内容を確認して積み立てを始める

積み立て金額を設定すると、その銘柄の「目論見書」が表示されます。

目論見書とは、その投資信託についての重要事項が記載された書類で、投資信託購入者に渡すことが義務付けられています。

内容は、投資信託の概要と信託報酬などの手数料、リスクなどが詳しく書かれており、購入者はこれを確認し、同意した上でつみたてNISAの積み立てが開始されるという仕組みです。

Webサイト上で内容を確認し、手続きが完了したら、設定に従って指定した日時に銀行口座やクレジットカードから資金が引き落とされ、つみたてNISAの投資が開始されます。

あとは何もしなくても、つみたてNISA口座上で設定に従って、自動的に引き落としと銘柄購入が進められることになります。

6.つみたてNISAを始めた後の注意点3つ

つみたてNISAは基本的には毎月決まった金額が自動的に積み上げられていきます。

全くほったらかしでいいというわけではなく、始めた後も、少なくとも以下の3つの点については注意が必要です。

では、一つずつ解説しましょう。

6-1.積み立て金額を把握し、状況に応じて増額設定を行う

年間40万円の非課税枠を全額使っていない方は、年間の積み立て金額がいくらになっているかを定期的に確認することをおすすめします。

もし非課税枠を残しており、追加で購入するだけの余裕資金が手元にあれば、増額設定などを利用して、年内に40万円までつみたてNISAを買い足すことも可能です。

増額設定を行う場合、12月に設定しても年内に購入できない可能性がありますので、11月のうちに設定する必要があります。

6-2.資産の状況を定期的に把握する

つみたてNISAで運用する資産の値動きについては、3ヶ月毎、半年毎などの期間を定め、定期的に確認することをおすすめします。

つみたてNISAは長期で利益をあげる投資ですので、一時的な価格変動に一喜一憂する必要はありません。

ただし、どの程度の利回りで運用できているかについて、長期的な視点で把握しましょう。長期的に利回りが低いと判断した場合、購入する銘柄を変更すべきかもしれないのです。

現行法(2023年まで)のつみたてNISAは売却してしまうと非課税枠が消失してしまいますが、これから購入する銘柄を変更するのは自由です。

2024年以降は法改正により、つみたてNISA売却しても翌年に非課税枠が復活することになるため、つみたてNISAの売買がより自由にできるようになります。

・その銘柄がどの程度の利益を上げているのか
・その銘柄を選んだ自分の投資判断が正しかったのか

などを定期的にチェックし、今後の資産運用の判断材料としていきましょう。

6-3.銘柄についての情報収集を続ける

自分の資産状況の把握と合わせて、自分が購入した銘柄以外についても情報収集を続けることをおすすめします。

お伝えした通り、つみたてNISAは2024年に売却後に非課税枠が復活するようになります。

そのほか、下記の変更が行われ、NISAの利便性はさらに高まっていくことが予想されます。

・非課税枠が年間360万円拡大し、つみたてNISA・一般NISAの併用が可能になる
・非課税期間が無期限となる
・最大利用可能額が1800万円に拡大し、売却後もこの枠の範囲内で繰り返し投資ができる

将来の資産運用のチャンスを逃さないためにも、つみたてNISAを設定しただけで満足せず、積極的に投資についての情報を収集し、資産運用についての勉強を続けることをおすすめします。

7.まとめ

今回はつみたてNISAの始め方について詳しく解説しました。

つみたてNISAは以下に示す5つのステップを踏むことで誰でもすぐに始めることができます。

今回のページではこの手順と合わせて、口座を開設するおすすめ金融機関や、初心者の方におすすめの銘柄についても詳しく解説しました。

またあわせて、つみたてNISAを始めた後の注意点として以下の3つについても詳しく解説しました。

つみたてNISAを始めた後の注意点3つ
・積み立て金額を把握し、状況に応じて増額設定を行う
・資産の状況を定期的に把握する
・銘柄についての情報収集を続ける

つみたてNISAは「つみたて」の名前の通り、毎月コツコツと定額の資金で投資信託を購入し、複利で利益を上げることを目的としているため、特に手間をかけずに長期でじっくりと資産を増やしたい方に適した制度です。

できるだけ早く始め、できるだけ長い間利用することをおすすめします。

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この記事を書いた人

投資家のしん

長年にわたり金融市場の動向と投資戦略について研究。幅広い業界での経験と洞察力を活かし、投資家向けに具体的で洞察に富んだ記事を提供しています。私の目標は、個人投資家がより賢明な投資判断をするための情報を提供し、皆さんの資産を成長させるお手伝いをすることです。常に最新のトレンドを追い求め、投資家に価値ある情報を届けることを使命としています。

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