格安SIMで後悔した理由は?アンケートをもとに原因と対応策を紹介

携帯料金を節約するうえで、大手キャリアから格安SIMへの乗り換えは必須です。

しかし長く大手キャリアを使ってきた場合、格安SIMに対して不安なイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、実際に格安SIMに乗り換えたユーザーへのアンケート結果をもとに、さまざまな疑問に回答していきます。

主に「格安SIMに変えて後悔した理由」にフォーカスしているので、格安SIMに不安を抱えている人はぜひ参考にしてみてください。

【この記事でわかること】
・既存ユーザーが格安SIMで後悔した理由
・後悔した理由の考察とその対応策
・それでも既存ユーザーが格安SIMをおすすめする理由

なお、本記事では「株式会社WACARU NET」が実施したアンケート「格安スマホや格安SIMに乗り換えて後悔した人の割合レポート」を参照しています。

この記事を書いた専門家

山田アキラ

ネット回線のプロ

小学5年生でガラケーを与えられて以来、最新端末や各社料金プランへの関心が尽きないケータイオタク。多数のメディアにおいて通信系の記事を担当。「ネット回線はコスパがすべて」をモットーとするファイナンシャルプランナー有資格者。

格安SIMに変えて後悔したか

アンケートによると「格安SIMに変えて後悔した人の割合」は全体の6.8%、「後悔していない」と答えた人は8割を超えています。

ほとんどの人が格安SIMに満足しているものの、乗り換え前の人が気になるのは「後悔した人の理由」ではないでしょうか。

そこでここからは、格安SIMに変えて後悔した人の理由をご紹介しその対処法をご紹介します。

事前に後悔した理由を確認しておくことで、格安SIMの欠点を把握しておきましょう。

格安SIMに変えて後悔した理由は?

ユーザーが回答した「格安SIMに変えて後悔した理由」は上の画像のとおりです。

いずれの理由においても、後悔するに至ったのは事前の情報収集不足だと筆者は考えます。

ここからはそれぞれの理由についての考察と対応策を紹介するので、格安SIMへの乗り換えを検討中の人は参考にしてみてください。

月額料金

月額料金が安いことが格安SIMの最大のメリットですが、なかには「月額料金に不満足」と回答した人がいるようです。

その要因として考えられるものは、以下の3つと推測しました。

  • 大手キャリアより高くなった
  • 大手キャリアと変わらなかった
  • セット割が適用されなくなった

いずれも格安SIMへの乗り換え前に、乗り換え先を十分に調査しなかったことが大きいといえるでしょう。

たとえば大手キャリアからデータ容量などが同等の格安SIMに乗り換える場合、間違いなく基本料金は安くなります。
大手キャリアの3GBプランから格安SIMの3GBに乗り換える場合、基本料金は絶対に安くなるのです。

筆者はほぼ全ての格安SIMとプランを把握していますが、同等のプランで比較したときに大手キャリアより高い格安SIMは存在しません。

したがって「大手キャリアより高くなった」もしくは「ほとんど変わらなかった」という人は適切なプラン選びができていない可能性が高いといえます。

対応策としては「自分に必要なデータ容量を把握したうえで適切なプランがある格安SIMに乗り換えること」です。

また大手キャリアで受けられていた光回線とのセット割は、ほとんどの格安SIMで対象外となります。

しかし、実はセット割が受けられなくても、「格安SIM+固定回線」という通信費全体でみると大手キャリアよりも断然お得なのです。

まとめると、自分の使い方に適した格安SIMやプランをしっかりと選択することで、月額料金で後悔するリスクは解消できます。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

携帯会社の乗り換えにおいて、自分にどれくらいのデータ容量が必要か把握することは必須です。
直近のデータ使用量は契約キャリアのマイページ等で確認できるため、必ずチェックしましょう。

通話料金

「通話料金に不満足」と回答した人は、格安SIMの通話料金が思ったほど安くなかったというのが要因でしょう。

大手キャリアの通話料金は22円/30秒ですが、多くの格安SIMでは半額の11円/30秒で提供されています。

しかし、一部の格安SIMでは大手キャリア同様に22円/30秒で提供しているブランドもあるのです。

このように、格安SIMに乗り換えることで通話料金が大手キャリアよりも高くなることはありませんが、格安SIMによっては大手キャリアと変わらない可能性があります。

通話を利用する機会が多い人は、乗り換え先の通話料金を調べておくことで対策できるでしょう。

またかけ放題などの通話定額オプションにおいても、格安SIMは大手キャリアより安いことがほとんどです。

よく通話を利用するという人は、通話定額オプションへの加入も検討しましょう。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

自分の通話料は契約キャリアのマイページ等で確認できます。
通話時間と通話料金を確認し、必要であれば通話定額オプションを利用しましょう。

通信速度

大手キャリアから格安SIMへ乗り換えた人で、通信速度に不満を感じる人がもっとも多い結果となりました。

たしかに格安SIMの通信速度は、大手キャリアの品質に比べて劣るという点を解説します。

格安SIMは大手キャリア、つまりドコモ・au・ソフトバンクの回線の一部をレンタルして運用しています。

回線全体の“一部”しか使えないせいで、格安SIMは回線の渋滞が起きやすく、ユーザーの多い時間帯は通信速度が低下するのです。

一方でユーザーの少ない時間帯は大手キャリアと同等の通信速度であり、通話に関しては全く変わらない心地になります。

格安SIMはレンタル回線を利用することにより割安な基本料金を実現していますが、通信速度に関するデメリットは把握しておきましょう。

とはいえユーザーの多い時間帯、主に12:00〜13:00や18:00〜19:00であっても、たとえばYouTubeの視聴程度には問題のない速度です。

格安SIMへの乗り換え後に後悔しないためには、このような通信速度に関するデメリットをきちんと把握しておくことが大切だといえます。

どうしても通信速度を犠牲にしたくない人は、通信速度が速い大手キャリアのサブブランドやオンライン専用プランがおすすめです。

  • UQモバイル(auのサブブランド)
  • ワイモバイル(ソフトバンクのサブブランド)
  • ahamo(ドコモのオンライン専用プラン)
  • povo(auのオンライン専用プラン)
  • LINEMO(ソフトバンクのオンライン専用プラン)
山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

自社で回線を整備するのには、基地局の建設や維持管理など莫大な費用を要します。
格安SIMが安価な料金プランを提供できるのは、レンタル回線を利用しているからなのです。

カスタマーサポート

格安SIMの多くは、経費削減のために実店舗を展開していません。

そのため、大手キャリアのように店舗での相談はできないことがほとんどです。

その代わりにメールや電話、オンラインチャットによるサポートを受けられますが、その品質に不満を感じる人が多いと考えられます。

また契約するブランドや問い合わせの時間帯によっては、電話サポートに繋がりにくいことも要因のひとつです。

これらは格安SIMが安い基本料金を維持するために仕方のないことですが、サポート品質を重視する人もいるでしょう。

そんな人は実店舗を展開している格安SIM、具体的には以下のようなブランドをおすすめします。

  • UQモバイル
  • ワイモバイル
  • 楽天モバイル

これらは店舗数が多く大手キャリアと同じようなサポートを受けられるので、スマホ初心者の人におすすめです。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

実店舗の運営にはテナント料や人件費、光熱費など継続的な経費がかかるものです。
このような経費を徹底的に省略することで、格安SIMは安価な通信サービスを実現しています。

端末ラインナップ

端末ラインナップの少なさは、格安SIMに乗り換えたユーザーの不満のひとつとなっています。

たしかに格安SIMでは購入できる端末のラインナップが少なく、なかには端末の販売を行っていないブランドもあります。

特にiPhoneの取扱い数は少なく、いまだにiPhone12をメイン機種として販売している格安SIMも多い印象です。

この対応策としては、端末を「大手キャリアや格安SIMで購入しない」ことを提案します。

というのも、実はスマホやタブレットなどの端末はメーカーの公式サイトから購入するのがもっとも割安だからです。

ただし、これはあくまでも定価料金の話なので注意してください。

型落ちや中古車、もしくはキャンペーンを利用する場合はキャリアや格安SIMで購入するのがお得なケースもあります。

いずれにしても、端末の購入も併せて行いたい場合は、それぞれの格安SIMでどのような端末の取り扱いがあるか事前に確認しておくことが大切です。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

格安SIMへの乗り換えと同時に端末をセットで購入したい場合、iPhoneなら楽天モバイル、Androidなら IIJmioがおすすめです。

キャリアメールが使えない

「〇〇@docomo.ne.jp」などのキャリアメールはキャリア独自のサービスなので、そのキャリアの解約と同時に使用できなくなります。

これに加えて、格安SIMではメールアドレスサービスを提供していないブランドが多いことが、格安SIMへの不満のひとつと考えられるでしょう。

対応策としては、「gmail」や「Yahoo!メール」などの無料メールアドレスの取得をおすすめします。

これらのメールアドレスは端末や契約ブランドに関わらず、長く使っていけるので非常におすすめです。

格安SIMの乗り換え時は、どうしても各サイト等の登録アドレスを変更したりなどの手間が発生してしまいます。

キャリアメールに依存していると、これが乗り換えのたびに発生してしまうので、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

優秀な無料メールアドレスが利用できる昨今、キャリアメールならではのメリットは思い付きません。
個人的には、キャリアメールは乗り換え時の足枷でしかないと考えているため、無料メールアドレスの取得を強くおすすめします。

初期設定のハードル

格安SIMは実店舗が少ないことを前述しましたが、そのせいで初期設定を自分で行わなければならないというデメリットがあります。

慣れている人にはなんてことない作業ですが、初心者の人は苦戦することもあるでしょう。

初期設定の方法は公式サイトや冊子で説明されていますが、それでも苦戦した人が「後悔した」と感じていると予想します。

対応策としては、以下のような実店舗がある格安SIMを契約することです。

・楽天モバイル
・UQモバイル
・ワイモバイル

選択肢が少なくなってしまうものの、どうしても初期設定が不安な人は上記の3社から選んでみてはいかがでしょうか。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

初期設定が終わらないことには電話もネットも繋がりません。
そのような状態で四苦八苦するのはかなりのストレスなので、自信がない人は実店舗のある格安SIMを選ぶことをおすすめします。

乗り換えを検討している人に格安SIMをおすすめできるか

格安SIMに乗り換えて「後悔した」というアンケートについて考察してきましたが、結果的に格安SIMをおすすめする人は90%を超えています。

デメリットを踏まえたうえでこのような結果が出たことには、以下のような理由が考えられるでしょう。

  • 月額料金が安い
  • 使い心地がほとんど変わらない

ここからは、デメリットを許容できるほどの格安SIMのメリットを簡単に解説します。

月額料金が安い

なんといっても、格安SIMの最大のメリットは月額料金の安さです。

前述したようなさまざまなデメリットを踏まえても、格安SIMにはそれを忘れさせるほどのお得さがあります。

どれほど安いかは数字で見ると一目瞭然なので、まずは大手キャリア3社と楽天モバイルの料金プランを比較した表をご覧ください。

キャリアプラン名月間データ容量月額料金(税込)
ドコモeximo3GB5,665円
無制限7,315円
auスマホミニプラン 5G/4G3GB5,665円
使い放題MAX 5G/4G無制限7,238円
ソフトバンクミニフィットプラン+3GB5,478円
メリハリ無制限+無制限7,425円
楽天モバイル最強プラン3GB1,078円
無制限3,278円

大手キャリアに比べて、楽天モバイルは3GBプランで約5分の1、無制限プランでは半額以下であることがわかります。

加えて他の格安SIMでは、楽天モバイルよりも携帯料金を抑えられる場合もあるのです。

この圧倒的な低料金が、既存ユーザーが格安SIMをおすすめする最大のメリットとなっています。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

上表の3GBプランで比較すると、楽天モバイルと大手キャリアの差は毎月4,500円、年間で54,000円にものぼります。
これを数年単位や家族単位で考えると、格安SIMに乗り換える金銭的メリットは非常に大きいといえるでしょう。

使い心地がほとんど変わらない

いくら月額料金が安いとはいえ、電波が悪かったり通信速度が遅かったりしてはスマホとして使い物になりません。

その点、格安SIMは大手キャリアの回線を使用しているため、大手キャリアとほとんど変わらない使い心地を実現しています。

時間帯による通信速度の不安定さというデメリットはあるものの、それを許容できる圧倒的なコストパフォーマンスが格安SIMの魅力です。

これが、実際に格安SIMに乗り換えたユーザーの90%以上が「格安SIMをおすすめする」と答えた理由と結論付けてよいのではないでしょうか。

山田アキラ

\ワンポイントアドバイス/

格安SIMは、大手キャリアが莫大なコストをかけて整備したモバイル回線を安価で利用できる画期的なサービスです。
筆者は8年前から格安SIMユーザーですが、格安SIMに乗り換えて本当に良かったと思っています。

まとめ

今回は実際に格安SIMユーザーに行ったアンケートの結果をもとに、「格安SIMに乗り換えて後悔した理由」を深掘りしていきました。

いずれの理由も乗り換え前に十分なリサーチを行っていないことが要因であり、また対策可能な理由だといえます。

生活の質を下げることなく、これほど効果の高い節約術は格安SIM以外にそうありません。

アンケートの回答者のように後悔する可能性があったとしても、格安SIMに一度乗り換えてみる価値は十分あるのではないでしょうか。

この記事をシェアする

この記事を書いた人

山田アキラ

小学5年生でガラケーを与えられて以来、最新端末や各社料金プランへの関心が尽きないケータイオタク。多数のメディアにおいて通信系の記事を担当。「ネット回線はコスパがすべて」をモットーとするファイナンシャルプランナー有資格者。

この記事を読んだあなたへのおすすめ