個人事業主が経費で落とせる車|高級車や10年落ちはいくらまで? 買い方・買うタイミング。現金・ローンなど

個人事業主には様々な節税対策があり、その中でも効果が高いのが車の購入です。

仕事で車を使う個人事業主は、購入費を経費で落とせます。

しかし、そこで疑問に思うのが「高級車でも経費で落とせるの?」「10年落ちの車はOKなの?」という点ではないでしょうか?

そこで本記事では、個人事業主が経費で落とせる車について詳しく解説します。

また、買い方・買うタイミングやカーリースならどうなるのかについてもお伝えするので、個人事業主として車の所有を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

個人事業主が経費で落とせる車|高級車はOK?10年落ち中古車なら得?いくらまで?

個人事業主が経費で落とせる車は、仕事で使っている場合のみです。

具体的には以下のような分け方になります。

  • 仕事のみで使っている:全額経費計上できる
  • 仕事とプライベートで使っている:仕事での使用割合を計算して計上できる
  • プライベートのみで使っている:経費計上できない

では、それぞれ詳しく解説します。

仕事のみで使っている:全額経費計上できる

まず、仕事のみで使用している場合は、全額経費計上できます。

ただし、個人事業主の車の購入費用は「減価償却」の対象です。

減価償却とは、支払った代金を全額その年の費用とはせず、耐用年数に応じて配分するための会計処理になります。

簡単にいうと、購入費を数年間かけて少しずつ経費として落とすわけです。

ちなみに、車によって耐用年数が異なります。

車の種類耐用年数
新車(普通乗用車)6年
新車(軽自動車)4年
貨物自動車ダンプ式:4年その他:5年
耐用年数が残った中古車耐用年数+(経過年数×20%)※1年未満の端数は切り捨て
耐用年数がすぎた中古車2年

つまり、高級車でも10年落ちの中古車でも、仕事で使っていれば経費として落とせるわけです。

10年落ちになると2年で減価償却するため、審査よりも早く購入代金を経費化できます。

素早い経費計上ができるという意味では、中古車の方が新車よりもお得と言えるでしょう。

仕事とプライベートで使っている:仕事での使用割合を計算して計上できる

次に、仕事とプライベートで使っている場合は、仕事での使用割合を計算して経費として落とせます。

これを「家事按分」と呼び、仕事6割・プライベート4割の使用があるなら、購入代金の6割を経費として計上できるという仕組みです。

例えば、1ヶ月平均100km走行しており、そのうち60kmが仕事による使用なら、購入代金の60%を経費計上できます。

このように、家事按分の割合は走行距離から算出すると、税務署の理解を得られやすいのでおすすめです。

プライベートのみで使っている:経費計上できない

最後に、プライベートのみで使っている場合は、一切経費計上はできません。

経費として落とす場合は、必ず仕事での使用が必要です。

業務上の使用がない場合は経費計上を控えるようにしてください。

個人事業主が経費で落とせる車|カーリースなら減価償却不要!一括経費にできる

個人事業主が車を購入し、経費として落とす場合は、減価償却のルールに従う必要があります。

しかし、カーリースなら減価償却ではなく、一括で経費として落とせるのです。

また、カーリースなら所有者はリース会社になるため、固定資産税の計上は必要ありません。

減価償却の計算等の経理処理にかかる手間と時間も省けるので、非常にお得に仕事用の車が手に入ります。

個人事業主が経費で車購入|買い方・買うタイミング・勘定科目や減価償却の計算解説。現金・ローンなど

ここでは、買い方・買うタイミングや勘定科目、減価償却の計算方法について解説します。

  • 買い方
  • 買うタイミング
  • 勘定科目
  • 減価償却の計算

買い方

個人事業主が経費として落とせる車を買う場合、以下の方法があります。

  • 現金で購入
  • ローンで購入

現金で購入した場合は、その代金を減価償却として経費として落とせばOKです。

ローンで購入した場合は、毎月支払う利息を経費として計上できます。

言い換えると、ローンの元金(利息分以外の支払い)は経費として計上できません。

買うタイミング

個人事業主が仕事で使う車を購入するなら、会計年度の最初の頃にした方が良いでしょう。

なぜなら、会計年度の最初に買えば1年分の使用割合を減価償却として計上できるからです。

反対に、12月に購入すると1ヶ月分しか減価償却できず損する羽目になります。

ちなみに、購入代金が30万円以下なら少額償却資産の特例扱いとなり、即座に減価償却が可能です。

つまり、12月31日に購入して1日しか使用していなくても、当年分として全額を経費として落とせるわけです。

30万円以上の車を買う場合は、会計年度のはじめ頃に購入するようにしてください。

勘定科目

車は、購入代金以外にもガソリン代や自動車税等の様々な費用がかかってきます。

これらのほとんどが経費計上でき、それぞれ勘定科目は異なります。

勘定科目内容
租税公課自動車税、自動車取得税、自動車重量税
保険料自賠責保険、任意保険、車両保険
車両費ガソリン代、洗車代、点検費用、車検費
減価償却費車購入代金を数年間で按分し費用計上したもの
旅費交通費高速代金、ETC代、駐車場代
賃借料駐車場代
消耗品費タイヤ、オイル、携帯フォルダーなどの備品
支払利息車購入のためのローンの支払金利

以上の勘定科目に従って経費計上してください。

減価償却の計算

減価償却の計算は以下の2つがあります。

  • 定額法
  • 定率法

それぞれの計算式は以下の通りです。

定額法車の購入代金 × 償却率 = 減価償却費
定率法未償却残高 × 定率法償却率 = 減価償却費

そして、耐用年数別の償却率は次のようになっています。

耐用年数定額法償却率定率法償却率
2年0.5000.038
3年0.3340.036
4年0.2500.035
5年0.2000.034
6年0.1670.033
7年0.1430.032
8年0.1250.031
9年0.1120.030
10年0.1000.029

参考:国税庁「減価償却資産の償却率等表」

上記の計算式に購入代金と該当する償却率を当てはめて、毎年減価償却として経費に計上します。

個人事業主で開業前に所有していた車を途中から経費にできる?

個人事業主として独立する前に保有していた車を、開業後の仕事でも使用しているなら経費計上が可能です。

その場合、開業前に使って目減りした価値金額を計算する必要があります。

減少した価値を控除した金額が未償却残高となり、将来経費として計上できる金額になります。

算出に関するポイントと式は以下の通りです。

算出のポイント耐用年数を1.5倍した償却率を求める非業務用の期間の年数を確認する非業務用の期間の減価償却費を計算する購入金額と3をもとに未償却残高を計算する
未償却残高の計算式資産の取得価額 – 事業の未使用期間の減価額 = 未償却残高

ポイントは、事業に使用していない期間の減価額です。

この金額は、その資産の耐久年数の1.5倍に相当する年数であり、業務に使っていない期間の減価償却費を計算したものになります。

例えば、新車の場合は耐用年数が6年です。

この6年を1.5倍にすると9年になるため、償却率は0.112となります。

車両購入費が200万円で、開業前に1年間使っていた場合は「200万円 × 0.9 × 0.112 × 1年 = 20万1,600円」という計算になるわけです。

そして、「200万円 – 20万1,600円 = 179万8,400円」が未償却残高となり、この金額をもとに減価償却の計算を行います。

このように計算すれば、開業前に乗っていた車でも経費として落とせるわけです。

個人事業主が経費で落とすなら新車・中古車・カーリースのどれがお得?

前述の通り、中古車は耐用年数の残りが少ないため、新車よりも早く経費化できるのでお得です。

また、カーリースなら減価償却ではなく全額を一括で経費として落とせるため、最もリーズナブルに仕事用の車が手に入るでしょう。

そのため、お得か否かという点だけで見ると、「カーリース>中古車>新車」という順番になります。

個人事業主が経費で落とせる車|おすすめのカーリース3選

個人事業主がお得に車を経費として落としたいなら、やはりおすすめはカーリースです。

ここでは、数あるリース会社の中でも特に評判の良いサービスを3つご紹介します。

  • 定額カルモくん
  • トヨタKINTO
  • MOTAカーリース

定額カルモくん

定額カルモくん」は、月額1万2,820円という業界最安値水準を誇るカーリースです。

しかも、頭金やボーナス払い不要なので、かなりお得に車が手に入ります。

また、月額500円の「乗り放題オプション」を追加すれば、契約満了時に追加料金なしで車両がもらえます。

契約期間が1年〜11年と幅が広いため、自由度の高い使い方ができるのも特徴の一つです。

ただし途中解約はできないという欠点があります。

最後まで乗り続けるという決断ができてから契約するようにしてください。

月額料金/ボーナス払い12,820円~/ボーナス払い不可
月額料金に含まれる費用自賠責保険料・自動車税・重量税・環境性能割・登録費用・その他諸費用・仲介手数料・お客様サポート料
残価清算なし
リース期間1年~11年(1年単位)
メンテナンスオプションのメンテナンスパックあり
走行距離制限1,500km/月
任意保険なし
途中解約不可

定額カルモくんの詳細はこちらから

トヨタKINTO

トヨタKINTO」は、その名の通りトヨタの車を専門に取り扱うカーリース会社です。

トヨタの車であれば、普通乗用車だけでなく高級車も選択できます。

  • ヤリス
  • アクア
  • カローラ
  • プリウス
  • クラウン
  • ハリヤー
  • ノア
  • ヴォクシー
  • アルファード
  • ヴェルファイア
  • シエンタ
  • レクサス 等

前述の通り、個人事業主が経費で落とせる車の中には、「ヴェルファイア」や「アルファード」「レクサス」といった高級車も含まれています。

憧れの車に低価格で乗れるので、個人事業主の方が仕事で使うにはおすすめです。

また、任意保険やメンテナンス費用も月額料金に含まれています。

特に1年程度の短期間の利用なら、コストパフォーマンスは業界トップクラスの高さを誇ります。

短い期間の使用を考えているなら、トヨタKINTOを検討してみてください。

月額料金/ボーナス払い14,740円~/ボーナス払い可
月額料金に含まれる費用車両代金・自動車税・自動車保険(自賠責保険・任意保険)・車検・メンテナンス・消耗品・故障修理・代車・登録時諸費用
残価清算なし(走行距離または車両の状態によっては清算あり)
リース期間3年・5年・7年
メンテナンス基本料金に含む
走行距離制限1,500km/月
任意保険月額料金に含む
途中解約可(※解約金フリープラン)

トヨタKINTOの詳細はこちらから

MOTAカーリース

MOTAカーリース」は、走行制限なしで契約できる珍しいカーリースです。

他のリース会社だと、1ヶ月あたりの走行距離が決められているため、「今月はもう乗れない」といった事態に陥る恐れがあります。

しかし、MOTAカーリースは制限がないため、仕事で長距離の移動が多い方でも安心して乗ることが可能です。

また、契約満了時に追加料金なしで乗っている車をもらえます。

最終的には車が手に入るので、「いつか自分の車を持ちたい」と考えている方にはおすすめのサービスです。

月額料金/ボーナス払い12,430円~/ボーナス払い可
月額料金に含まれる費用車両代金・環境性能割・新車登録手数料・自動車税・重量税・自賠責保険料・消費税
残価清算なし
リース期間7年・9年・11年
メンテナンス車検・オイル交換の無料クーポン付き
走行距離制限なし
任意保険なし
途中解約不可

MOTAカーリースの詳細はこちらから

まとめ

個人事業主が経費で落とせる車は、以下の通りです。

  • 仕事のみで使っている
  • 仕事とプライベートで使っている

仕事での使用が少しでもあれば、高級車や10年落ちの中古車であっても経費として落とせます。

ただし、車は減価償却によって経費計上するのが決まりです。

また、プライベートでの使用もある場合は、どれくらいの割合で仕事にて使っているのか計算しなければなりません。

その点、カーリースなら減価償却ではなく全額経費として落とせます。

少しでもお得に仕事用の車を手に入れたいなら、カーリースを検討してみると良いでしょう。

カーリース会社月額料金リース期間
定額カルモくん12,820円~1年~11年(1年単位)
トヨタKINTO14,740円~3年・5年・7年
MOTAカーリース12,430円~7年・9年・11年

この記事をシェアする

この記事を書いた人

マネ子

ファクタリング・金融系の発信をするWEBライターです。お金にまつわる情報をWEBメディアで執筆しています。

この記事を読んだあなたへのおすすめ