個人事業主は事業用とプライベート用に銀行口座を分けることによって、確定申告や経費管理が楽になるなどのメリットがあります。そのため、事業用の銀行口座は別で作成するのがおすすめです。
法人口座とは違い、個人事業主の口座は開設のための必要書類が少なかったり、手数料などがお得だったりと使いやすいので持っていて損はありません。
本記事では、個人事業主向けのおすすめ銀行口座5選を紹介します。選び方や開設の流れ、必要書類、断られた場合の審査落ち理由なども解説するので、銀行口座選びに悩んでいる個人事業主の人は参考にしてみてください。
個人事業主向けのおすすめ銀行口座(事業用口座)5選!ネット銀行・必要書類・流れ・振込手数料など
個人事業主向けの銀行口座おすすめ5選をまとめました。
- GMOあおぞらネット銀行
- 楽天銀行
- PayPay銀行
- 三井住友銀行
- ゆうちょ銀行
それぞれ詳細に紹介するので、気になる銀行口座をチェックしてみてください。
GMOあおぞらネット銀行

最短翌日に口座開設が可能で、口座維持費用が無料の「GMOあおぞらネット銀行」。口座開設と一緒に発行できるビジネスデビットカードも無料で、最大1%のキャッシュバックを受けられてお得です。
使い分け口座があるのが特徴で、最大10口座まで作成できます。たとえば、事業資金用や経費用、プライベート用などと分けられるので便利な機能です。振込手数料も安く、他行宛ては一律145円。
「個人名」「屋号+個人名」「個人名+屋号」を自由に選んで開設できる個人事業主専用の銀行口座ですから、まずは最初に検討してみるといいでしょう。15歳以上から申し込めます。
<口座開設の流れ>
口座開設申込→本人確認・書類提出→初期設定
口座維持費用 | 無料 |
口座名 | 個人名・屋号+個人名 |
振込手数料 | 同行宛:無料 他行宛:145円 |
ATM手数料 | 110円 / 回 |
必要書類 | 本人確認書類・個人事業主の確認書類・事業内容確認書類 |
会計ソフトの連携 | freee、マネーフォワード、弥生会計など |
口座開設スピード | 最短翌日 |
Pay-easy | 対応 |
楽天銀行

楽天銀行の個人口座を保有している個人事業主は「楽天銀行」がいいでしょう。楽天の個人口座を持っている18歳以上が申し込める日本最大級の銀行です。
ネット上で楽天銀行間における即時決済可能な「楽天銀行かんたん決済」は、ECサイトを運営している個人事業主に特におすすめ。その他、口座番号が分からなくてもメアドと口座名義だけで簡単に振込できるサービスなど、個人事業主向けの豊富な振込サービスが揃っています。
ただし、口座開設までは時間がかかる点や郵送が必要な点、ビジネスデビットカードは年会費1,100円がかかる点には注意しましょう。
※注意
楽天銀行の個人口座は個人事業目的の利用が禁止されています。凍結されたと口コミも多いので気をつけましょう。
<口座開設の流れ※個人口座を保有している場合>
口座開設申込→返信用封筒の受取(3~7日程度)→「業務内容の確認資料」の郵送→口座開設の準備完了のお知らせ→個人口座へログインして手続きを行う
口座維持費用 | 無料 |
口座名 | 個人名・屋号+個人名 |
振込手数料 | 同行宛:52円 他行宛:150~229円 |
ATM手数料 | 220円~275円 / 回 |
必要書類 | 事業内容確認書類 |
会計ソフトの連携 | freee、マネーフォワード、弥生会計など |
口座開設スピード | 1週間~2週間程度 |
Pay-easy | 対応 |
PayPay銀行

スマホで銀行取引ができる便利な「PayPay銀行」。生体認証で簡単にログインでき、リアルタイムで残高や取引明細が確認できます。キャッシュカードにはデビットカードの機能が付いており、審査申込をすれば翌月払いの利用も可能です。翌月払いを使えば0.5%現金還元なのもお得。
提携ATMは3万円以上で入出金が何度でも手数料無料なのもPayPay銀行ならでは。セブン銀行ATMやローソンATM、ゆうちょ銀行など、提携数も多いのでATM入出金で困ることはないでしょう。
<口座開設の流れ※個人口座を保有している場合>
メアドの登録→申込フォームへ入力→必要書類をスマホで送信→口座開設
口座維持費用 | 無料 |
口座名 | 個人名・屋号+個人名 |
振込手数料 | 同行宛:55円 他行宛:160円 |
ATM手数料 | 無料~165円 / 回 |
必要書類 | 本人確認資料・事業実態の確認資料 |
会計ソフトの連携 | freee、マネーフォワード、弥生会計など |
口座開設スピード | 最短当日~7日程度 |
Pay-easy | 対応 |
三井住友銀行

大手や信頼性の高い銀行を希望しているなら「三井住友銀行」がいいでしょう。ただし、一般個人口座のOliveは事業での利用できず、ネットでは申し込めないので窓口に足を運ばなければいけません。営業性個人といわれる銀行口座となり、対象の支店で相談できます。
必要書類などが異なる場合もあるので、近くの支店に電話確認をしてみるといいでしょう。とはいえ、銀行口座開設の難易度は店舗型のなかでは比較的低めといわれています。
公式に情報がないため口コミ参照になりますが、ネットバンクが無料で使える、即日で開設できたなどの声が見受けられました。
<口座開設の流れ>
三井住友銀行の窓口で手続き→開設
口座維持費用 | 無料 |
口座名 | 屋号+個人名 |
振込手数料 | – |
ATM手数料 | – |
必要書類 | 本人確認書類・開業届・印鑑 |
会計ソフトの連携 | freee、マネーフォワード、弥生会計など |
口座開設スピード | 最短即日 |
Pay-easy | 対応 |
ゆうちょ銀行

店舗数の多い「ゆうちょ銀行」も候補の一つにしていいでしょう。ゆうちょATMの手数料は無料のため、入出金が多い個人事業主におすすめです。全国にATMがあることや利用者が多いなど、安定感があります。
しかし、申込は窓口のみだったり必要書類が多かったり審査に時間がかかったりする点は少々ネックです。また「ゆうちょ銀行は屋号のみの口座が作れる」という情報もありますが、現在は作れなくなりました(2023年に受付終了)。
<口座開設の流れ>
ゆうちょ銀行窓口へ申込→貯金事務センターにて審査→審査結果の連絡→口座開設
口座維持費用 | 無料 |
口座名 | 個人名・屋号+個人名 |
振込手数料 | 同行宛:無料~146円他行宛:165円~880円 |
ATM手数料 | 無料~440円 / 回 |
必要書類 | 本人確認書類・個人事業の開業届出書(控用)または個人事業開業届出済証明書・屋号等で個人事業を営んでいる事実が確認できる書類・個人事業の財務状況(収入と支出)が確認できる書類・個人事業の内容が確認できる資料・印鑑 |
会計ソフトの連携 | freee、マネーフォワード、弥生会計など |
口座開設スピード | 1か月程度 |
Pay-easy | 対応 |
個人事業主がビジネス口座を開設した方がいい4つの理由+注意点
個人事業主がビジネス口座とプライベート口座を分ける主なメリットは以下のとおり。
- 信頼性が高まる
- 帳簿付けが楽になる
- お金の流れを把握しやすくなる
- クラウド会計ソフトと連携しやすい
口座が個人名だと不安を覚えてしまう人も少なからずいるため、そういった場合は屋号付きのビジネス口座にすることで信頼性が高まるでしょう。
また、帳簿付けなどの管理も楽になります。プライベートと事業の収支が混在していると、帳簿付けの仕訳に苦労するのは間違いありません。ビジネス口座を別にしておくとお金の流れが一目瞭然、さらにクラウド会計と連携すれば帳簿付けもあっという間です。
一方で、振込手数料などが個人口座よりも高くなる場合があります。コストを抑えるためには、自分に合った銀行を選ぶといいでしょう。
【注意】そもそも個人口座を事業用に使うのを禁止している銀行もある

プライベート用と事業用に口座を分ける義務はありませんが、個人口座を事業用に使うのはおすすめしません。なぜなら、そもそも事業利用を禁止している個人口座もあるからです。たとえば、楽天銀行やOlive(三井住友銀行)、ゆうちょ銀行も個人口座の事業利用は禁止しています。
個人口座は事業目的での利用がいただけません。
事業目的での口座の利用をご希望の場合、個人ビジネス口座を開設のうえ利用してください。
引用:楽天銀行
事業でお使いになる口座ではお申込ができません
事業用途として個人名義の通常貯蓄貯金をお申し込みいただくことはできません
引用:ゆうちょ銀行
もし、保有している個人口座を事業に使いたいなら、規定を確認したり銀行に問い合わせしたりして確認してみてください。
事業での利用を禁止している銀行で取引を続けていた場合、予告なく凍結されてしまう可能性があります。凍結されてしまうと引き出しはもちろん、自動引落もできなくなってしまうので気をつけましょう。
個人事業主・フリーランス向けのビジネス銀行口座の選び方
個人事業主・フリーランス向けのビジネス銀行口座を選ぶ際に注目したいポイントは下表のとおりです。
ネット銀行 | ネットで各種手続きが可能、口座開設までがスピーディで各手数料も安い。オンラインショップや小規模事業をしている、始めたばかりなどの個人事業主にぴったり。 |
店舗型 | 窓口申込限定や手数料の高さなどのデメリットはあるが、信頼性は抜群。対面でのサポートを望んでいる、いずれ法人成りを考えているなどの個人事業主におすすめ。 |
振込手数料 | 同行なら無料のところも多いため、取引先と同じ銀行を選ぶのも一つの手。他行が多いならできるだけ安いところを。 |
入出金のしやすさ・手数料 | ATMでの入出金が頻繁にある人は確認したいポイント。自宅近くのATMを確認。 |
連携サービス(会計ソフトなど) | 会計ソフトを連携したいならチェック。 |
必要書類 | 必要書類が多い銀行もある。提出書類が少ないのはネット銀行。 |
口座開設の流れ・時間 | 店舗型だと窓口で色々と質問されるが、早い銀行だとその日に開設できる。ネット銀行だと手続きから開設までスピーディ。 |
法人口座への切替可否 | 法人成りを視野に入れている場合にチェック。 |
自分が重視するポイントを考え、優先順位を付けて選んでみましょう。
個人事業主で口座開設を断られた!審査落ちの理由や対策ポイント
個人事業主に限らず、口座開設を断られるのは珍しいことではありません。口座を利用した犯罪やマネーロンダリングなどを防止するため、審査を慎重に行っているからです。
そのうえで、審査落ちの理由として考えられることは以下のとおり。
- 提出書類の不備があった
- 申し込んだ銀行と現住所が離れすぎている
- 取引目的をハッキリ答えられなかった
- 申し込んだ銀行の口座を持っている
- そもそも口座は原則一人に一つ
<提出書類の不備があった> 一般社団法人全国銀行協会が触れているのは、まず書類の不備です。提出書類が足りなかった、内容に不備があったなどさまざまな理由が考えられます。提出書類は事前に確認し、不備なく揃えましょう。 |
<申し込んだ銀行と現住所が離れすぎている> 申込した銀行と現住所が離れすぎている場合、断られることもあります。生活圏にある銀行で口座開設をするのが一般的とされているためでしょう。 ネット上では「自宅に近い銀行を案内されてやんわり断られた」といった声も見受けられました。店舗型を希望する場合は、もっとも自宅から近い銀行の方がいいでしょう。 |
<取引目的をハッキリ答えられなかった> 店舗型銀行の場合は口座開設の際に取引目的を聞かれるので、ハッキリと答えられなければ審査落ちしてしまいます。口ごもったりせずに、何か聞かれてもハッキリと言い切ることが大切です。 |
<申し込んだ銀行の口座を持っている・そもそも口座は原則一人に一つ> すでに申し込んだ銀行の口座を保有している場合も断られるケースがあります。そもそも、一般社団法人全国銀行協会のHPに記載があるように口座は原則一人に一つです。 銀行側が「一人一つ」と言っている場合は諦めるか、プライベート用の口座を解約するしかありません。ただし、事業用口座として作れるとは限らないので気をつけましょう。 |
屋号付き口座は開業前には開設できません。開業届などの証明書類が必要となるため、開業前に申し込んでも無意味となってしまうので注意が必要です。
個人事業主の銀行口座に関するよくある質問
ここからは、個人事業主の銀行口座に関するよくある質問に答えていきます。
個人事業主は屋号のみの口座は持てる?屋号付き口座にすべき?
基本的に、屋号のみの口座はどの銀行でも作れません。開設できるのは「屋号+個人名」もしくは「個人名のみ」です。
また、個人事業主だからといって必ずしも屋号付き口座にする必要はありません。
個人事業主の口座を年の途中で分けてもいい?
個人事業主の口座は年の途中で分けても問題ありません。帳簿の付け方に迷ったときは、会計ソフトが運営する税理士相談を利用するといいでしょう。
個人事業主がネット銀行を使うデメリットは?
個人事業主がネット銀行を使うデメリットには「対面サポートが受けられない」「店舗型と比較すると知名度は劣る」などがあります。
困りごとがあったときにサポートを受けたい場合、電話や文面などでのやりとりになり、対面でのサポートは受けられません。また、地元に根差した事業を行っていて融資が必要になった際は、地元の銀行・信用金庫に口座を持っていた方が相談しやすい場合もあるでしょう。
加えて、店舗型と比較すると、ネット銀行は知名度ではまだまだ敵わない点も挙げられます。これらの欠点を許容できない場合は店舗型の銀行がおすすめです。
個人事業主の銀行口座は自分に合ったものを開設しよう
銀行口座にはそれぞれ特徴があるため、気になるポイントをそれぞれ比較してみてください。
特にこだわりがない人は「GMOあおぞらネット銀行」が簡単・スムーズに開設できるのでおすすめです。店舗型を希望している人は、個人事業主にも優しいと噂の三井住友銀行がいいでしょう。
なお、プライベート用に使っている個人口座はビジネス利用が禁止されている場合があります。プライベート用口座を事業用に使いたいという人は必ず規約を確認してから使うようにしましょう。