メガバンクの法人口座は難しい?三井住友・三菱UFJ審査落ち理由、維持費などを比較

※アフィリエイト広告を利用しています

メガバンクは知名度が高く、多くの企業が使っていることから、法人口座の第一候補に入れる経営者も多いでしょう。しかし、設立して間もない法人がメガバンクの口座を開設するのは難しいといわれています。

本記事では、メガバンクの法人口座開設が難しい理由や審査のコツ、維持費の比較、おすすめなどをまとめたので、法人口座で悩んでいる経営者はぜひ参考にしてみてください。

メガバンクの法人口座開設はなぜ難しいのか?

メガバンクの法人口座開設が難しい理由を見ていきましょう。

メガバンクが法人口座開設を厳しくする理由

メガバンクが法人口座開設を厳しくするのは、マネー・ローンダリング(通称:マネロン)などを未然に防ぐためというのが大きな理由です。2018年2月に金融庁から「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」が公表されたことをきっかけに、各銀行も専用ページで取り組みを公表しています。

組織的犯罪処罰法に係るマネロン事犯の検挙状況をみると、2015年の381件から、2025年には1,262件にも増加(※)。金融庁が作成したチラシのように、少しでも怪しければ法人口座開設を断るのが基本になっています。

出典:金融庁

メガバンクでの法人口座開設希望者は多いですから、実績のない、もしくは少ない会社を最初から断ることで、マネロンなどに使われるリスクを避けているということです。また、マネロンなどの対策に伴い、口座管理のコストも上がっているという背景もあります。

口座管理コストが上がったということは、それに見合う利益が見込めない法人の口座開設に消極的になってしまうのは当然ともいえるかもしれません。

※参考:警視庁「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」

三菱UFJ・三井住友の法人口座開設が難しい・審査落ちする具体的な例

では、三菱UFJ・三井住友の法人口座開設が難しい・審査落ちする具体的な例とはどういったものでしょうか。SNSやYahoo!知恵袋などで浮かび上がってきたのは、以下のとおりです。実際の口コミと一緒に見ていきましょう。

  • 法人取引を扱っていない支店だった。また、その支店が家から遠い
  • レンタルオフィスやバーチャルオフィスだと審査が厳しめ
  • 定款を理由に断られた

<法人取引を扱っていない支店だった。また、その支店が家から遠い>

支店によっては法人口座を取り扱っていない場合があります。そうなると、法人口座を取り扱っている支店へ足を運ぶことになりますが、そこが自宅から遠いと断られるケースがあるようです。自宅から近い地元銀行や信用金庫をそれとなく紹介されるケースも見受けられました。

<レンタルオフィスやバーチャルオフィスだと審査が厳しめ>

レンタルオフィスでは、ちゃんとご自身の会社の部屋がありますか?
それがないと都市銀行は審査は通らないと思います。犯罪に利用される口座対策としてレンタルオフィスやバーチャルオフィスでは口座開設が厳し目です。
個室があって審査落ちなら、資本金の少なさややっている業務が審査を通るレベルではないんだと思います。

引用:Yahoo!知恵袋

レンタルオフィスやバーチャルオフィスだと審査が厳しめになります。特にレンタルオフィスの場合、部屋を借りていないと厳しいという声も。ペーパーカンパニーを疑われ、審査落ちするということでしょう。

<定款を理由に断られた>

事業概要を伝える資料にしても定款の事業目的を書いただけで提出しようとする方がいらっしゃったりしますが、それでは銀行も安心して口座を作っていいか判断がつかないかと思います。

どんな事業を行うのか?代表者の経歴は?取引先が確保できているのか?といった情報(これだけにとどまらず)をしっかりと伝えて銀行を安心させる必要があります。

引用:Yahoo!知恵袋

定款や事業内容を理由に断られたというケースもあります。上述したように、そもそも法人口座開設自体が厳しいのが現状です。メガバンク側が安心できるだけの資料を用意して、口座開設を申し込むのが賢明でしょう。

メガバンクの法人口座を開設するためのコツ

メガバンクで法人口座開設を成功させるためのコツは、以下のとおりです。

  • 事業内容に関する書類は丁寧にまとめておく
  • 面談までに話す内容を整理しておく
  • 資本金は多めに用意しておく
  • バーチャルオフィス・レンタルオフィスの場合は理由を明確に伝える

事業内容に関する書類は丁寧にまとめておく

事業内容に関する書類は、丁寧にまとめておくといいでしょう。メガバンクの必要書類項目に記載はありませんが、実績が少ない法人だと、ほとんどの場合は追加の書類を要求されます。

たとえば、自社HPやパンフレット、取引先リストなど、事業実態や実績をアピールできるものがおすすめです。その他、個人事業主時代の確定申告書などでもいいでしょう。

不正利用を疑われるのが大きな審査落ちの理由なら、事業内容が銀行側に正確に伝わり、信用を得られれば口座開設ができるということです。メガバンク側も「何をしている会社なのか?」「本当に営業しているのか?」「書類に不備が多すぎて不安」など、懸念点があれば法人口座開設を断らなければいけません。

伝えられる情報が不足していると感じるなら、それを補う書類を用意しておきましょう。

面談までに話す内容を整理しておく

基本的に、法人口座開設時には面談があります。そのときに話す内容を整理しておくといいでしょう。口ごもって答えられなかったりしてしまえば、メガバンク側も怪しいと感じてしまいます。

面談で聞かれる可能性のある質問は、以下のとおりです。

  • 銀行を選んだ理由
  • 事業内容
  • 法人設立に至った理由
  • 代表者の経歴(これまでの仕事内容など)
  • 取引相手

想定される質問とその回答は頭に入れておくといいでしょう。

資本金は多めに用意しておく

法人口座開設をするときは、できるだけ資本金を多めに用意しておくのがおすすめです。すぐに売上が立たなくても事業を継続できる資本金の目安が「約300万円」といわれていることを考えると、これに近い資本金を用意しておくのが安心といえます。

法人を設立するにあたって、資本金1円でも法律上は問題ありません。とはいえ、資本金1円の会社が信用できるのかと問われて「はい」というメガバンクはまずないでしょう。審査落ちの可能性を下げるなら、資本金は多めに用意しておくのに越したことはないといえます。

バーチャルオフィス・レンタルオフィスの場合は理由を明確に伝える

バーチャルオフィス・レンタルオフィスを利用している場合、メガバンク側から理由を聞かれる可能性が高いため、答えられるようにしておきましょう。

前提として、バーチャルオフィス・レンタルオフィスであるという理由だけで法人口座開設を断るメガバンクは基本的にありません。事業内容によっては、バーチャルオフィス・レンタルオフィスで十分な場合もありますし、実際にそういった法人が増えているからです。

とはいえ、過去にバーチャルオフィスを使った犯罪が発生しているという背景があり、メガバンク側も慎重になっています。バーチャルオフィス・レンタルオフィスである理由に相当性があり、メガバンク側に納得してもらえれば問題にはならないでしょう。

メガバンクの法人口座開設申込の流れと必要書類

法人口座開設の必要書類と流れを、メガバンクそれぞれでまとめました。なお、必要書類に関しては、業種によって異なります。申込前に必ず確認しておきましょう。

三井住友銀行の申込の流れ・必要書類

三井住友銀行の法人口座開設は、Webのみで完結できる場合と来店が必要な場合があります。

Webのみで完結法人格が「株式会社」
事業内容が投資事業、金融業、特定目的会社以外
Web上で手続する人が代表者
謄本の住所で郵送書類の受け取りが可能(転送不可)
Webで事前申込→来店上記に当てはまらない法人
・法人格が「有限・合同・合弁・合名・合資会社/一般社団法人・医療法人」・事業内容が投資事業、金融業、特定目的会社
・代理人が手続きする場合
・謄本の住所に部屋番号
・ビル名の記載がない
・バーチャルオフィス

Webのみで完結の流れ

  1. オンライン本人認証・情報の入力
  2. 書類の郵送またはアップロード
  3. オンラインで確認
  4. 印鑑届を送付し、利用開始

Webで事前申込→来店の流れ

  1. 情報の入力
  2. 書類の郵送またはアップロード
  3. 来店・店頭での手続き

なお、Webでの手続きはスマホでは行えません。

必要書類

  • 法人の印鑑登録証明書(発行日から6か月以内)
  • 履歴事項全部証明書(発行日から6か月以内)
  • 建物謄本もしくは賃貸借契約書(Webでの申込の場合必須)
  • お手続者の本人確認書類
  • 主たる事業の許認可証 (有効期限内のもの。ただし、許認可が不要な事業の場合は不要)

みずほ銀行の申込の流れ・必要書類

みずほ銀行も、Webと店舗での申込方法があります。以下に該当する場合は、店舗で申し込みましょう。

店舗で申込が必要なケース

  • 既にみずほ銀行に法人口座を持っている
  • 個人事業主・(任意)団体
  • 普通預金口座以外の口座開設を希望
  • 登記上の本店所在地(設立国)が日本以外
  • みずほビジネスWEB・みずほWEB帳票サービス・みずほビジネスデビットを希望しない

Webのみで完結の流れ

  1. 法人口座開設ネット受付から申込
  2. 一次審査後、メールにてウェブ面談の日程調整
  3. 面談者の本人確認書類(運転免許証等)をメールで提出
  4. ウェブ面談の実施 ※代表者、代表者から委任を受けた人(役員、実質的支配者、経理担当者など)のみ
  5. 郵送される申込書類に必要事項を記入して返送
  6. 郵送される通帳、キャッシュカードを受け取り、口座開設完了

店舗での申込の流れ

  1. 来店予約サービスで予約
  2. 必要書類を持参して来店・手続き

必要書類

  • 登記事項証明書(履歴事項全部証明書など)
  • 代表者・役員・実質的支配者等のお名前・住所・生年月日等が確認できる書類
  • 面談者の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)の画像データ
  • 実質的支配者の確認ができる書類

三菱UFJ銀行の申込の流れ・必要書類

三菱UFJ銀行も同様に、Webと店舗で申し込めます。以下に該当する場合は、店舗で申し込みましょう。

店舗で申込が必要なケース

  • 組合・任意団体(業界団体・サークル等)
  • 既に法人口座を持っているが、同じ支店で申し込みたい
  • 国外法人(外国企業の日本法人・日本支店は除く)
  • 個人事業主

Webのみで完結の流れ

  1. 申込登録
  2. 口座申込情報入力・必要書類アップロード
  3. ウェブ面談
  4. 書類の受取・返送
  5. 通帳・キャッシュカードの受取(開設完了)

店舗での申込の流れ

  1. 予約サービスで予約
  2. 必要書類を持参して来店・手続き

必要書類

  • 履歴事項全部証明書(発行から6か月以内)
  • 法人の印鑑証明書(発行から6か月以内)
  • 取引担当者の「公的な本人確認資料」 例:運転免許証、パスポート、個人番号カードなど

メガバンクの法人口座にするメリット

メガバンクの法人口座にするメリットとして挙げられるのは、以下のとおりです。

  • 信頼度が上がる
  • 高額融資の相談ができる
  • メガバンクを使っている会社は多い

第一に挙げられるメリットは、審査が厳しめだからこそ得られる信頼性でしょう。メガバンクで法人口座開設ができたということは、メガバンクの厳しい審査基準をクリアした会社という視点で見てもらえるからです。

また、メガバンクならではの高額融資も魅力。資金力でいえば、地元銀行やネット銀行はメガバンクに敵いません。必ずしも借りられるとは限りませんが、選択肢にあるだけで安心感は違います。

さらに、メガバンクを使っている会社が多いという点もメリットです。インターネットバンキングを使った同行宛ならコストが抑えられますから、メガバンクの振込先が多い法人は特におすすめです。

メガバンクとネット銀行を比較!おすすめは?維持費や手数料など

メガバンクとネット銀行を比較表にまとめました。コスト面だけで考えると、優れているのはネット銀行といえます。

※インターネットバンキング=EBで表記

EB利用料(月額)振込手数料:EB振込手数料:EB以外
三井住友銀行0円~2万2,000円同行:無料
他行:165円~660円
同行:110円~880円
他行:275円~990円
みずほ銀行3,300円
※設立3年以内は最大5年間無料
同行:無料~440円
他行:490円~660円
同行:220円~880円
他行:270円~990円
三菱UFJ銀行1,760円
※最大3か月無料
同行:110円~330円
他行:484円~660円
同行:110円~880円
他行:275円~990円
住信SBIネット銀行無料同行:無料
他行:130円~145円
GMOあおぞらネット銀行無料同行:無料
他行:一律145円
PayPay銀行無料同行:55円
他行:160円

メガバンクのなかだと、小規模の法人には三井住友銀行がおすすめです。インターネットバンキングの無料プランは1日の振込上限が300万円だったり給与振込が設定できなかったりと制限があるものの、それが問題ないならランニングコストを抑えられます。

審査面で考えるなら、創業したての法人にもやさしいといわれているみずほ銀行もいいでしょう。設立3年以内は、インターネットバンキング利用料が最大5年間無料になるといった特典を用意していることからも、創業間もない法人にも前向きな姿勢が伺えます。とはいえ、振込手数料が全体的に高めのため、取引先の銀行を確認してから考えてみてください。

そして、メガバンクのなかで特に審査が厳しいと噂になっているのが三菱UFJ銀行です。面談で色々と細かく聞かれるため、事業に自信がない場合はおすすめできません。同行宛の振込に手数料がかかる点も少々ネック。小規模の法人にはおすすめしないという口コミもあることから、口座を所有していて付き合いがあるなどの理由がなければ、最初に考えなくてもいいかもしれません。

ランニングコストと審査面のどちらも取りたいなら、ネット銀行がいいでしょう。維持費はかかりませんし、振込手数料も格安。最初はネット銀行を使い、実績を積んでからメガバンクに申し込むという段階を踏んでみるのも一つの手です。

おすすめ法人口座3選!メガバンクが難しいならネット銀行

メガバンクとネット銀行を比較し、さまざまな面で難しいと感じた経営者もいるでしょう。ネット銀行なら口座開設までスピーディなうえ、口座維持費も無料なのでおすすめです。

  • 住信SBIネット銀行
  • GMOあおぞらネット銀行
  • PayPay銀行

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行」の振込手数料は、振込件数に応じて安くなる仕組みです。145円がスタートで、最高で130円までになります。そのため、振込先が多い法人に向いているでしょう。

スマホと運転免許証さえあれば法人口座が開設できる手軽さも評判で、忙しいときでもストレスなく申し込めます。審査不要のデビットカードを使えば、利用金額に応じて最大1.0%のポイントが還元されるのも魅力。1か月あたり3億円まで、残高の範囲で利用できます。

口座維持費無料
振込手数料当行宛:無料
他行宛:130~145円
口座開設時間最短翌営業日
必要書類運転免許証

GMOあおぞらネット銀行

「GMOあおぞらネット銀行」は、他行の振込手数料が145円と安いため無駄なコストを削減できます。設立1年未満の法人であれば、設立月から12か月間、月20回無料なのも嬉しいポイントです(通常は口座開設月の翌々月まで)。

また、法人口座開設手続き時に申し込めるビジネスデビットカードは年会費無料でありながら、キャッシュバック率は最大1.0%。利用額に応じた現金が翌月21日に入金されるため、備品購入や月々のサービス利用料などに使うといいでしょう。

口座維持費無料
振込手数料当行宛:無料
他行宛:一律145円(振込料金とくとく会員は129円/件)
口座開設時間最短即日
必要書類本人確認書類・事業内容確認書類(該当する場合のみ:法人住所の補完書類・外国口座税務コンプライアンス法に係る確認書・特定取引を行う者の届出書)

PayPay銀行

出典:PayPay銀行

「PayPay銀行」は、3万円以上の入出金なら提携ATM利用手数料がいつでも無料なのが大きな魅力です。提携ATMはセブン銀行やローソン銀行、ゆうちょ銀行など、使いやすい銀行が揃っています。そのうえ、毎月1回目は金額にかかわらず手数料がかかりません。

また、Visaデビットカードにクレジット機能を付けられるのもPayPay銀行ならでは。翌月に支払いを延期できるうえに、0.5%分の現金が還元されます。年会費などは一切かかりませんから、こちらもあわせて利用してみるといいでしょう。

口座維持費無料
振込手数料当行宛:55円
他行宛:160円
口座開設時間最短3日
必要書類運転免許証

まとめ

不正利用の影響で、口座開設自体が一昔前よりも厳しくなっています。そのなかでも法人口座開設希望者の多いメガバンクは特に厳しく、設立したての法人にとっては少々ハードルが高めといえるでしょう。

メガバンクにこだわる理由がないなら、ネット銀行での法人口座開設も視野に入れてみてください。維持費・振込手数料が安いので、ランニングコストが抑えられるという利点もあります。ネット銀行ならスピーディに口座開設ができるため、忙しい経営者向きです。

本記事で紹介した「GMOあおぞらネット銀行」「住信SBIネット銀行」「PayPay銀行」はどれも使いやすい法人口座なので、ぜひ詳細をチェックしてみてください。

この記事をシェアする

この記事を書いた人

マネ子

ファクタリング・金融系の発信をするWEBライターです。お金にまつわる情報をWEBメディアで執筆しています。

この記事を読んだあなたへのおすすめ