猫の消化器系トラブルは、適切なキャットフードの選択により改善できる可能性があります。

下痢や軟便に効果的なフードとは、どのような特徴を持つのでしょうか。

本記事では、下痢（軟便）の猫に適したキャットフードを17選ご紹介いたします。

また、最適なフードを選ぶ際のポイントについても詳しく解説しておりますので、ぜひ最後までお読みください。

猫の下痢（軟便）の主な原因

猫の下痢や軟便の原因は、大きく分けて「病気」と「食事」に関連するものです。

多くの場合、食事に起因する下痢や軟便では猫は元気を保っています。

一方、病気が原因の場合、以下のような症状も併発することがあります。

活力や食欲の顕著な低下は、明らかな異常サインです。

その他、「ストレス」や「誤飲・誤食」も下痢や軟便の原因となります。

これらの場合も、嘔吐や元気の喪失などの症状が見られることがあります。

異常を感じたら、速やかに獣医師の診断を受けることが重要です。

自己判断による対応は症状の悪化を招く恐れがあるため、注意が必要です。

下痢（軟便）対策向けの猫の餌を選ぶポイント

下痢（軟便）に適したキャットフードを選ぶポイントは以下の通りです。

• 高品質な動物性タンパク質を主原料のもの
• 猫の個体に適した食物繊維量を含むもの
• 腸内環境を改善する成分が配合されているもの

これらの基準は、成分表や原材料欄を確認するだけで簡単に判断できます。

高品質な動物性タンパク質を主原料のもの

猫は本来肉食動物であり、肉や魚などの動物性タンパク質を効率的に消化できます。

消化不良を防ぐため、主原料が動物性タンパク質であるキャットフードを選ぶことが重要です。

原材料欄の最上位に記載されている材料が、そのフードで最も多く使用されています。

特に、具体的な肉や魚の種類が明記されているものが望ましいです。

NG表記は、使用されている肉の種類や品質が不明確で、低品質な原料が使用されている可能性があります。

消化器官が敏感な猫には、品質の劣るフードが下痢や軟便の原因となる可能性があるため、主原料の確認は重要です。

猫の個体に適した食物繊維量を含むもの

食物繊維は腸の健康を維持し、下痢や便秘を予防する効果がありますが、過剰摂取は症状を悪化させる可能性があります。

食物繊維には水溶性（可溶性）と不溶性の2種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。

水溶性食物繊維は善玉菌の栄養源となり、長期的な腸内環境改善が期待できます。

一方、不溶性食物繊維は腸内を浄化する効果があります。

一般的なキャットフードの食物繊維含有量は5％以下が標準です。

この数値を参考に、愛猫に適したフードを選びましょう。

腸内環境を改善する成分が配合されているもの

下痢や軟便が頻発する猫には、プロバイオティクス（善玉菌）を含むフードがおすすめです。

プロバイオティクスは腸内環境を改善し、全身の健康維持に貢献します。

代表的な善玉菌には以下のようなものがあります。

これらの善玉菌は、消化器系トラブルの改善だけでなく、免疫機能の調整、がん抑制、アレルギー症状の軽減などにも効果が期待できます。

日常的な摂取で、猫の健康維持に寄与する可能性があります。

下痢（軟便）に悩む猫向けのおすすめキャットフード・餌17選

ここでは、下痢（軟便）に悩む猫に適したキャットフード17選をご紹介します。

愛猫の状態に最適なフードをお選びください。

1位：モグニャンキャットフード

出典：モグニャン公式サイト

モグニャンは、SNS上で高い評価を得ている無添加キャットフードです。

猫の嗜好性を重視し、慎重に原料選定がなされています。

主原料の65%を占める白身魚により、高タンパク質かつ低カロリーに仕上げられており、食欲旺盛な猫や体重管理が必要な猫に適しています。

また、タピオカやジャガイモなどの繊維質豊富な原料が使用されており、毛玉の排出を促進する効果が期待できるでしょう。

グレインフリーで白身魚主体のモグニャンは、特に体重管理が必要な猫におすすめのフードです。

2位：カナガンキャットフード チキン・サーモン

出典：カナガン公式サイト

カナガンは穀物不使用のグレインフリーフードで、穀物の消化が困難な猫に配慮して作られています。

穀物の代替として使用されているサツマイモは不溶性食物繊維が豊富です。

さらに、可溶性食物繊維であるオリゴ糖も配合されており、両タイプの食物繊維がバランス良く含まれています。

このバランスの良さから、病気以外の原因による下痢や軟便の改善が期待できます。

チキンを主原料とする高タンパク質のカナガンは、愛猫の便性状に悩む飼い主さんにぜひ試していただきたいフードです。

3位：GRANDS（グランツ）

出典：グランツ公式サイト

GRANDSは、累計800万食を突破した高い人気を誇るキャットフードです。

タンパク質源である肉類やサーモンの使用率が70%以上と非常に高く、本来肉食である猫の栄養ニーズに適しています。

定期購入の継続率が93%と高いことから、多くの飼い主さんと猫たちに支持されていることがうかがえます。

人工保存料、着色料、香料を一切使用していない安全性の高いこの人気フードは、ぜひ一度お試しいただく価値があるでしょう。

4位：カナガンデンタルキャットフード

出典：カナガン公式サイト

カナガンデンタルキャットフードは、美味しさとケアの両立を求める飼い主さんに最適です。

豊富な天然海藻成分を含有しており、猫の体内から美しさをサポートする特徴があります。

全猫種・全年齢に対応しているため、子猫からシニア猫まで幅広く使用できます。

通常の食事として与えるだけで効果的なケアができる点が高く評価されており、多くの飼い主さんから支持を得ているフードです。

5位：HAPPY CAT ファーム ラム

出典：Amazon

HAPPY CATは、ペット先進国ドイツで最も信頼されているキャットフードブランドの一つです。

厳格な食品基準を満たしたヒューマングレードの原材料を贅沢に使用しており、愛猫の長期的な健康と活力を維持したい飼い主さんに適しています。

特にファームラムは、消化性の高いラム肉を主原料としており、胃腸の弱い猫に優しい製品となっています。

さらに、消化を促進するコリアンダーも配合されているため、消化器系のケアが必要な猫に特におすすめの商品です。

6位：ジャガーキャットフード

出典：ジャガー公式サイト

ジャガーキャットフードは、動物性原材料を80%も使用した贅沢なフードで、高品質なタンパク質にこだわった製品です。

食にこだわりがある猫でも、本来の肉食本能を呼び覚ますかのように夢中になって食べる傾向があります。

グレインフリー設計により消化器系への負担が軽減されており、胃腸の弱い猫にも安心して与えられます。

栄養バランスと消化のしやすさを両立させたこのフードは、多くの猫の健康維持に貢献するでしょう。

7位：アランズナチュラルキャットフード

出典：公式サイト

アランズナチュラルキャットフードは、穀物を使用せず自然素材にこだわって製造されています。

消化を促進する食物繊維が豊富なじゃがいもを含んでおり、軟便傾向にある猫にもおすすめです。

この商品は、動物愛護の先進国として知られるイギリスで生産されています。

イギリスではペットフードを人間の食事と同等に重要視しており、高い安全基準が適用されています。

安全性を最優先に考える飼い主さんにとって、理想的なキャットフードです。

8位：ニュートロ ナチュラルチョイス 毛玉トータルケア アダルト チキン

出典：ニュートロ

ニュートロ毛玉トータルケアは、猫の毛玉問題に特化したフードです。

可溶性食物繊維が豊富なオオバコ種皮を含有しており、毛玉の自然な排出を促進します。

しかし、このフードは毛玉に悩む猫だけでなく、健康な猫にも適しています。

玄米やオートミールなどの不溶性食物繊維が腸内環境を整えるのに役立ちます。

可溶性と不溶性の両方の食物繊維をバランスよく含むことで、猫の内側からの健康維持をサポートします。

9位：ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 腸内バイオーム チキン＆野菜入りシチュー

出典：ヒルズ

「腸内バイオーム」という名称は、動物の消化管内に存在する微生物群です。

ヒルズの腸内バイオームフードは、その名の通り健康維持に重要な役割を果たす微生物に着目し、豊富な食物繊維を含有していることが特徴です。

特に、慢性的な消化器系トラブルに悩む猫に適しており、下痢や便秘の繰り返しを改善する可能性があります。

さらに、腸内環境の改善により、これらの症状の再発リスクも低減できる可能性もあります。

原因不明の下痢や軟便に悩む猫にとって、ヒルズの腸内バイオームはおすすめでしょう。

10位：ヒルズ プリスクリプション・ダイエット（特別療法食) 〈猫用〉 腸内バイオーム シチュー

出典：ヒルズ

ヒルズから発売されているこの製品は、腸内バイオームと同様に猫の消化器系トラブルに特化した療法食です。

i/dの特徴は、腸内バイオームと比較して繊維質含有量が少ないことです。

食物繊維が少ないため消化が容易で、猫の消化器系への負担が軽減されます。

また、i/dは動物性タンパク質の含有量が高く、より消化しやすい設計となっているため、猫の下痢や軟便に対してより迅速な効果が期待できます。

消化不良による症状に悩む猫に特に適したキャットフードといえるでしょう。

11位：ロイヤルカナン センシブル（食が細い猫専用フード 成猫用）

出典：ロイヤルカナン

ロイヤルカナンセンシブルは、消化器系が敏感な猫のために特別に開発されたキャットフードです。

消化率90％以上の超高消化性タンパク質を使用しており、胃腸への負担を最小限に抑えています。

さらに、酵母とフラクトオリゴ糖を配合することで、腸内細菌叢のバランスを整える効果も期待できます。

胃腸の弱い猫は食欲が減退しがちですが、このフードは高タンパク質・高エネルギー設計のため、少量でも十分な栄養摂取が可能です。

消化器系のトラブルに悩む猫の飼い主にとって、ロイヤルカナンセンシブルは非常におすすめでしょう。

12位：FORZA10（フォルツァディエチ）愛猫用 アクティブライン インテスティナルアクティブ(胃・腸)

出典：FORZA10

フォルツァは様々な健康問題に対応するフードを開発しており、アクティブライン インテスティナルアクティブは特に胃腸の健康維持を目的とした食事療法食です。

タンパク質源や穀物が粉末状態で使用されており、消化器系への負担を軽減する工夫がなされています。

さらに、加水分解処理された魚タンパクを使用することで、消化性をさらに高めています。

また、高い消化性を持つため、早食いによる嘔吐の問題を抱える猫にもおすすめです。

13位：ブラバンソンヌ 消化器サポート チキン

出典：ブラバンソンヌ

ブラバンソンヌは、着色料、香料、保存料を一切使用しない無添加キャットフードです。

動物性タンパク質源を単一に限定することで、食物アレルギーの特定も容易になっています。

特に消化器サポートラインは、消化不良を起こしやすい猫のニーズに応えるよう設計されています。

加水分解チキンタンパク質を使用することで消化の負担を軽減し、さらに水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく配合することで腸内環境の改善をサポートできるでしょう。

ブラバンソンヌは猫の下痢や軟便の予防に効果的なフードです。

14位：ジェーピースタイル 和の究み 猫用セレクトヘルスケア デリケートなお腹ガード

出典：Amazon

JPスタイル和の究み 猫用セレクトヘルスケアは、日本国内で製造された国産キャットフードです。

日本の猫の食生活に適合するよう設計されています。

消化器系の健康維持のため、乳酸菌の一種「フェカリス菌」とオリゴ糖を配合しています。

また、国産削り節ミールを使用しており、猫の嗜好性も高いのが特徴です。

比較的手頃な価格設定のJPスタイルは、新しいフードを試してみたい飼い主さんにも挑戦しやすいキャットフードといえるでしょう。

15位：ベッツワン ベテリナリー 猫用 消化器ケア 可溶性繊維 チキン

出典：ベッツワン

ベッツワンベテリナリー消化器ケアは、消化器系疾患を持つ猫のために特別に開発された食事療法食です。

可溶性繊維を豊富に含み、これが腸内細菌の栄養源となることで腸内環境のバランスを整えます。

さらに、糖質の吸収を緩やかにする効果もあるため、肥満傾向にある猫にも適しています。

主原料の鶏肉とジャスミンライスは高い消化性を持つ食材のため、消化器系への負担を軽減しトラブルを予防できるでしょう。

16位：ヒルズ サイエンス・ダイエット 腸の健康サポートプラス 1歳以上の成猫・高齢猫用 チキン ドライフード

出典：ヒルズ

ヒルズ 腸の健康サポートプラスは、猫の消化器系の健康と良好な腸内環境の維持をサポートするために開発されたフードです。

ビートパルプや亜麻仁などの天然由来のプレバイオティクスブレンドを含有しており、健康的な便の維持に貢献します。

さらに、ヒルズ独自の繊維ブレンド「アクティブバイオーム⁺テクノロジー」を採用し、迅速な健康的な排便をサポートします。

消化性の高い高品質な自然素材を使用している腸の健康サポートプラスは、比較的手頃な価格帯で提供されており、突発的な下痢や軟便の問題に直面した際にもおすすめです。

17位：Medyfas（メディファス） アドバンス グレインフリー 1歳から

出典：Amazon

メディファス アドバンス グレインフリーは、アドバンスシリーズの中で穀類を使用していない製品です。

フラクトオリゴ糖と繊維源（セルロース）を配合しており、健康的な腸内環境の維持と便臭の軽減に配慮しています。

さらに、グレインフリーでありながら肉類を主原料とし、技術的に困難とされる下部尿路の健康維持との両立を実現しています。

このキャットフードは、消化器系の健康サポートと猫に多い下部尿路疾患の予防を同時に行えるため、特におすすめです。

下痢（軟便）の猫へ餌を与える際のポイント

下痢や軟便の猫には、消化しやすい食事を与えることが重要です。

下痢や軟便は脱水のリスクを高めます。

水分を含むフードを与えることで、栄養と水分を同時に補給できます。

また、食欲を刺激するため、温めたり香りを立たせたりするのも効果的です。

猫の下痢（軟便）改善への対策

下痢や軟便の改善には、以下の方法が考えられます。

原因は様々なので、適切な対策を講じるためには原因の特定が重要です。

ストレス要因の除去

ストレスは猫の消化器系に大きな影響を与えます。

以下のような要因がないか確認しましょう。

猫も適度な運動が必要です。

飼い主が一緒に遊ぶことでストレス発散を促しましょう。

また、清潔好きな猫のためにトイレの清掃を頻繁に行うことも大切です。

環境の変化（結婚、出産など）もストレスの原因になり得るので、できる限りストレスを軽減する工夫をしましょう。

食事内容の見直し

食事の調整だけで症状が改善することもあります。

以下の点を確認してみましょう。

動物性タンパク質の種類を変更するだけでも効果が見られることがあります。

鶏肉からラムや魚などに変更してみるのもよいでしょう。

単一の主原料を使用したフードなら、どの肉質が合わないかを特定しやすくなります。

獣医師による診察と治療

下痢や軟便に加えて以下のような症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう

これらの症状は、より深刻な病気の可能性を示唆しています。

早期の治療が重要です。

また、これらの症状がなくても長期間下痢や軟便が続く場合は獣医師に相談しましょう。

下痢や軟便は水分や栄養素の過剰な排出につながるため、早期の対応が重要です。

猫の下痢（軟便）の餌に関するQ&A

ここでは、猫の下痢や軟便についてよくある質問とその回答をご紹介します。

• 人間用の整腸剤を猫に使用しても大丈夫？
• 下痢のときは絶食させるべき？

愛猫の状態と照らし合わせてご参考ください。

人間用の整腸剤を猫に使用しても大丈夫？

人間用の整腸剤を独自の判断で猫に与えることは避けてください。

一部の動物病院では、市販の「ビオフェルミン」を処方することがあります。

人間用のビオフェルミンでも問題ないとされることもありますが、製品の種類や他の薬との相互作用によっては危険な場合や効果が得られない可能性があります。

必ず獣医師の指示のもとで使用するようにしましょう。

下痢のときは絶食させるべき？

猫の下痢時の絶食については、獣医師の間でも意見が分かれています。

消化管粘膜を休ませる観点からは、12時間程度の短期間の絶食が効果的と考えられることもあります。

ただし、これも獣医師の指導のもとで行うべきです。

注意点として、猫は絶食に弱く、長時間の絶食は肝リピドーシス（肝臓への脂肪蓄積）のリスクがあります。

また、子猫の場合は低血糖になりやすいなど、絶食が命に関わる危険性もあります。

したがって、絶食療法を独自の判断で行うことは避け、必ず獣医師に相談してください。

猫の下痢（軟便）改善のために餌の見直しをしよう

猫の下痢や軟便の主な原因は、病気と食事に大別されます。

食事が原因と考えられる場合は、現在与えているフードの見直しが効果的です。

以下の点に注目してフードを選択しましょう。

症状が長期化する場合は、速やかに獣医師に相談することが重要です。

早期の適切な対応が、愛猫の健康回復への近道となります。