消費者金融からお金を借りて返済している最中に、もっと金利が低い金融機関を見つけるケースがあるでしょう。
そんな時は、「借り換え出来たらいいのに」「借り換えれば毎月の負担が軽くなる」と思いますよね。
確かに、消費者金融の借り換えは利用者が多く、借り換えに成功すれば毎月の負担が大幅に減ります。
場合によっては数万円〜数十万円の負担減となるでしょう。
しかし、借り換えによってさらに状況が悪くなるケースもあります。
そこで本記事では、消費者金融の借り換えにおけるメリット・デメリットをお伝えします。
また、銀行やろうきんに借り換える場合の審査や借り換えに成功するためのポイントについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
消費者金融の借り換えにデメリットはある?
消費者金融の借り換えには、以下のようなデメリットがあります。
- 返済期間が長期にわたると利息が増える
- 借り換えできない場合もある
返済期間が長期にわたると利息が増える
まず、借り換えによって返済期間が長くなると、利息が増える恐れがあります。
そもそも消費者金融などでお金を借りた場合、利息は金利だけでなく返済期間の長さも影響します。
たとえば、借り換えによって金利が低くなり毎月の負担が減ったとしても、返済期間が長くなった結果、トータルの返済額は増えるというケースがあるのです。
では、実際にそのようなケースがあるのかシミュレーションしてみましょう。以下では、借り換えによって50万円借りた際の金利が、18.0%から16.0%に下がった場合を紹介します。
借り換え前 | 借り換え後 | |
借入額 | 50万円 | |
返済期間 | 6か月 | 1年 |
金利 | 18.0% | 16.0% |
毎月の返済額 | 8万7,762円 | 4万5,365円 |
総返済額 | 52万6,572円 | 54万4,380円 |
合計利息額 | 2万6,572円 | 4万4,380円 |
このように、金利が下がるだけではなく、返済期間が6か月から1年へと伸びると、毎月の返済額は8万7,762円から4万5,365円 となり、4万2,397円の減額となります。
ところが、総返済額をみると52万6,572円から54万4,380円と増えています。
合計の利息額を比較しても、「4万4,380円 – 2万6,572円 = 1万7,808円」も負担増です。
借り換えは、毎月の負担を減らすことができる一方で、総支払額が増加する恐れもあります。
借り換えを利用する際は、利息がいくらかかるのか、必ずシミュレーションして計画的な借入を心がけましょう。
借り換えできない場合もある
次に、借り換えは必ず審査を受ける必要があります。審査は形式的な内容ではないため、状況によっては借り換え不可と判断されるケースも珍しくありません。
ちなみに、借り換えができない理由は以下のようにさまざまです。
- 現在の借入先で借り換え
- 借入時より収入が減った
- 返済中に大きな病気にかかった
- 転職や独立、産休育休などで雇用形態や勤続年数が変わった
- 住宅ローンやクレジットカードなどの支払いを延滞した
このような理由で借り換えができない場合は他の借り換え先を探すか、今のまま返済を続けて状況が改善してから再申し込みしましょう。
消費者金融を借り換えするメリット
借り換えは、基本的にデメリットよりメリットの方が多い傾向にあります。
消費者金融を借り換えるメリットは以下の3つです。
- トータルの利息額を減らせる
- 毎月の負担を軽減できる
- 今の自分にあったプランに変更できる
トータルの利息額を減らせる
前述の通り、返済期間が長くなるなど、借り換え状況によってはトータルの利息額が増えてしまいます。
しかし、返済期間を変えずに金利だけ下がれば、トータルの利息額が少なくなります。
では、先ほどのシミュレーションと同じ条件で、返済期間を変更せず、金利だけ下げた場合にどうなるのか、以下の表で確認してみましょう。
借り換え前 | 借り換え後 | |
借入額 | 50万円 | |
返済期間 | 6か月 | |
金利 | 18.0% | 16.0% |
毎月の返済額 | 8万7,762円 | 8万7,265円 |
総返済額 | 52万6,572円 | 52万3,590円 |
合計利息額 | 2万6,572円 | 2万3,590円 |
このように、返済期間は同じでも金利だけ下がると、合計の利息額は「2万6,572円 – 2万3,590円 = 差額2,982円」となります。
上記は50万円で計算しているため、一見すると利息の差は大きくありません。
しかし、借入額が増えれば増えるほど利息の支払いも増加するため、低金利の金融機関で借り換れば負担減の効果はより大きくなるでしょう。
毎月の負担を軽減できる
今回ご紹介したシミュレーションを見るとわかる通り、金利の低いところで借り換えすれば毎月の返済額が減り、負担も軽くなります。
さらに返済期間を伸ばせば、毎月の返済額は大幅に減少します。
「毎月の返済額が高くてつらい」とお悩みの方にとっては、トータルの利息額が多少増えても、借り換えが大きな助けになるでしょう。
今の自分にあったプランに変更できる
長期的に借入していると、結婚や転職など、ライフスタイルに変化が起きることもあるでしょう。
「今の生活では毎月の返済額が多すぎる」「年収が上がったから返済額を増やして早く返したい」といった場合に、借り換えは最適です。
毎月の返済額の負担を軽くするのも、返済額を増やして早く完済するのも可能なので、生活に変化があった方は借り換えを検討すると良いでしょう。
消費者金融から借り換える方法|ろうきんや銀行は審査が厳しい
借り換えによって、毎月の負担や合計の利息額は大幅に減るというメリットはあります。
しかし、借り換え先によってはデメリットになるケースもあるので、慎重に検討した方が良いでしょう。
そこで続いては、消費者金融から借り換えする方法を4つご紹介します。
それぞれの特徴をよく理解したうえで、自分にあった借り換え先を選ぶようにしてください。
- アコムなど大手消費者金融の借り換え専用ローン
- ろうきん
- 大手銀行・地方銀行
- 中小消費者金融
アコムなど大手消費者金融の借り換え専用ローン
まず、大手消費者金融である「アコム」と「アイフル」には、借り換え専用ローンが存在します。
どちらも知名度が高く、安心して利用できるのはもちろん、大手消費者金融なので全国どこに住んでいても利用できるというメリットがあります。
利用可能なATMの設置箇所も多いので、中小消費者金融から借り換えれば利便性は格段にアップするでしょう。
また、審査スピードに定評がある消費者金融なので、審査状況次第では最短即日(※1)での借り換えも可能です。
※ご利用限度額50万円超、または他社を含めた借り入れ金額が100万円超の場合は源泉徴収票など収入を証明するものが必要です。
※1申込の曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱となる場合があります。
ろうきん
ろうきんのカードローンで、借り換えに特化した商品があるのは「東北労働金庫」「近畿労働金庫」「中国労働金庫労働組合」の3つだけです。
団体会員の人でなければ利用できないなどの条件こそあるものの、審査基準をクリアできれば低い金利での借り換えができます。
また、ろうきんなら「ヤミ金では?」といった心配がなく、安心して借り換えができるでしょう。
ただし、審査が厳しかったり利用できる人が限定されていたりと様々なデメリットがあるので、その点をよく理解したうえで利用するようにしてください。
ちなみに、借り換えできるろうきんは3つとお伝えしましたが、おまとめローンを提供するろうきんなら「北陸ろうきん」や「四国ろうきん」など多数あります。
現在複数の借入がある場合は、金利引き下げなど借り換えと同様の効果が得られるので、ろうきんのおまとめローンを検討してみるのも良いでしょう。
東北労働金庫 | 近畿労働金庫 | 中国労働金庫労働組合 | |
実質年利 | 5.0% | 3.9%~5.0% | 6.075% |
借入限度額 | 500万円 | 100万円~500万円 | 500万円 |
使い道 | 既にご利用いただいているローンの借換資金 | 生活資金等の目的 | 他金融機関等ローンからの借換資金 |
大手銀行・地方銀行・ネット銀行
大手銀行や地方銀行、ネット銀行で借り換えるのも一つの手段です。
特に銀行は金利が低いため、消費者金融から借り換えれば、利息や毎月の返済額が減る可能性は高いでしょう。
ただし、審査の通過ハードルは消費者金融よりも高い傾向にあります。借り入れ当初よりも個人属性や信用情報が悪くなっている場合は、慎重に検討する必要があります。
借り換えにおすすめの銀行を3つ挙げておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
みずほ銀行 | 横浜銀行 | 楽天銀行スーパーローン | |
実質年利 | 年2.0~14.0% | 年1.5~14.6% | 年1.9~14.5% |
借入限度額 | 10万円~800万円 | 10万円~1,000万円 | 最大800万円 |
使い道 | 原則自由 | 原則自由 | 原則自由 |
中小消費者金融
中小消費者金融はそれぞれ独自の審査基準を設けているケースが多く、他社で断られた方でも受け入れてもらえる可能性があります。
また、柔軟な審査を行っているため、個人の事情を考慮してくれます。
もし、あなたが現在の借入状況に不満があるなら、中小消費者金融に相談してみると良いでしょう。
次の項目で、おすすめの借り換え先を3つご紹介しているので参考にしてみてください。
消費者金融の借り換えローン|銀行より審査が甘いのは中小消費者金融
続いては、おすすめできる中小消費者金融の借り換えローンを3つご紹介します。
- 首都圏キャッシングサービス
- 中央リテール
- デイリーキャッシング
首都圏キャッシングサービス
画像:首都圏キャッシング
「首都圏キャッシング」は、複数の借入を一本にまとめてくれる「おまとめローン」に特化した中小消費者金融です。
現時点で2社以上から借入していないと利用できないものの、もし多数から借入がある場合は、金利の引き下げや返済額の負担減が見込めます。
対応エリアが東京・千葉・埼玉・神奈川に限定されているので、該当する方は一度相談してみてはいかがでしょうか。
融資額 | 50万円〜800万円 |
融資利率 | 年7.3〜15.0% |
融資までの時間 | 最短即日 |
返済期間 | 30年以内 |
返済回数 | 360回以内 |
遅延損害金(年率) | 20.0% |
担保・保証人 | 原則不要 |
中央リテール
画像:中央リテール
「中央リテール」は、複数ある借入の一本化に特化した商品を提供する中小消費者金融
です。
金利が年10.95~13.0%と大手消費者金融よりも低めに設定されています。
そのため、現在大手消費者金融から借り入れている方なら、高い確率で金利の引き下げに成功するでしょう。
また、相談窓口を担当するのは、国家資格「貸金業務取扱主任者」の取得者です。いまのあなたに最適な返済プランを提案してくれます。
現状の借入状況に不満がある方は、一度相談してみてください。
融資額 | 最大500万円 |
融資利率 | 年10.95~13.0% |
融資までの時間 | 最短1日 |
返済期間 | 最長10年 |
返済回数 | 最大120回 |
遅延損害金(年率) | 20.0% |
担保・保証人 | 不要 |
デイリーキャッシング
画像:デイリーキャッシング
「デイリーキャッシング」は、借り換えにも利用可能な商品を提供している中小消費者金融です。
金利が高くて元金が一向に減らない方や、月々の返済額が多くて辛いという方を対象としているため、借り換えを検討している方にはピッタリでしょう。
また、金利は最大年14.5%と大手消費者金融よりも低めです。
もし、あなたが大手消費者金融から借りているなら、金利を下げられる可能性があるので、気軽に検討してみてください。
融資額 | 50~600万まで |
融資利率 | 年8.5%~14.5% |
融資までの時間 | 最短1日 |
返済期間 | 最長10年 |
返済回数 | 12回~120回 |
遅延損害金(年率) | 20.0% |
担保・保証人 | 不要 |
消費者金融の借り換え審査に通過しやすくなるポイント
最後は、消費者金融の借り換え審査に通過しやすくなるポイントをご紹介します。
- 借入額を減らしておく
- 収入証明書を用意しておく
- 個人属性を良くしてから申し込む
借入額を減らしておく
まず、借入額はできるだけ減らしてから申し込むようにしましょう。
というのも、借入額が多すぎると「負担が大きすぎるのでは?」「返済できないだろう」と思われて審査で不利になります。
借り換えの審査では、希望額が少なければ少ないほど有利です。
そのため、借り換え前にできるだけ返済して現状の借入額を減らしておくのも得策です。
収入証明書を用意しておく
借り換えを希望している人の多くは、借入額が高額になりがちです。
高額な借入の場合は貸し倒れリスクが高くなるため、審査状況によっては収入証明の提出を求められるケースがあります。
また、貸金業者から50万円を超えて借り入れる場合や、他の貸金業者から借入れている分も合わせて合計100万円を超えて借り入れる場合は、収入証明の提出が必須です。
必要書類の中には、用意するのに日数がかかるものがあるので、事前に確認してスムーズな審査に備えておきましょう。
収入証明書として認められる書類は以下の通りです。
【収入証明書として認められる書類】
- 直近2ヶ月分以上の給料明細書
- 納税通知書および納税証明書
- 源泉徴収票
- 所得証明書
- 確定申告書
書類が全て揃わなければ審査が進められないので、1日でも早く現金を受け取りたい方は、書類が手元にあるかどうかを確認するようにしてください。
個人属性を良くしてから申し込む
借り換えを希望している方は、個人属性を良くしてから申し込むのも審査通過に重要なポイントです。
個人属性とは、以下のような社会的・経済的な背景を意味します。
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 家族構成
- 雇用形態
- 年収
- 勤続年数
たとえば、雇用形態はアルバイトやパートといった非正規雇用よりも、公務員や正社員の方が安定していると見なされて有利です。
また、勤続年数は長ければ長いほど高評価となります。
もし、あなたが非正規雇用なら、正社員になってから申し込んだ方が良いでしょう。
転職して間もないなら、勤続年数が1年以上になってから審査を受けた方が、通過する確率が高くなります。
このように、借り換え審査では個人属性が重要視されますから、高評価となる条件を整えてから申し込むのも効果的です。
まとめ
今回は、消費者金融の借り換えについて解説しました。
現在の借入先よりも低い金利で借り換えすれば利息が下がり、毎月の負担額を減らしたり、トータルの返済額を少なくしたりできます。
条件次第では、借り換え前よりも総支払額が増えるというデメリットはありますが、事前にシミュレーションすれば問題ありません。
上手くいけば、数万円〜数十万円の負担減になるので、ぜひ利用を検討してみてください。