2024年1月から開始した「新NISA(新しいNISA)」を機に、株式投資を検討している会社員の方もいることでしょう。その一方で、「株式投資は副業にあたるのではないか」と気にされる方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、株式投資は副業ではなく、投資運用です。ただし、社内規定で株式投資が禁止されているケースがあるため確認と注意が必要です。今回は「株式投資×副業」というテーマで、おすすめのネット証券や会社員が株式投資を始める際に注意したいポイントなどを解説します。
この記事の監修者
柳川 郁弥
金融のプロ
保有資格:1級FP技能士 / CFP認定者
1989年、兵庫県生まれ。2014年CFP資格取得を機にFP事務所、保険代理店、金融商品仲介
業での実務を経て、現在は、独立系のFPとして、関西圏の大学を中心に「FP資格取得講座
」や「証券外務員講座」など年間約150回登壇。
その他、企業の従業員や一般の個人向けに生活設計や資産運用に関する相談業務、金融記
事を中心とした執筆活動を行っている。
所属:有限責任事業組合 FPファクトリー
https://fp-factory.jp/?page_id=359
株式投資は副業になるのか?
冒頭で述べた通り、株式投資は副業には該当しません。ここでは副業の定義や株式投資が副業にあたらない理由を解説します。
そもそも副業の定義とは
「副業」は法律で明確に定義が定められているわけではありませんが、一般的に「本業としての仕事を持つ人が、本業以外の仕事に従事して副収入を得ること」を意味します。たとえば、平日は本業の会社員として働き、土日にコンビニエンスストアでアルバイトをして副収入を得ている場合、コンビニエンスストアでのアルバイトが副業に該当します。なお、総務省では副業の意味について「主な仕事以外に就いている仕事をいう」と提示しています。
株式投資が副業にならない理由
副業は本業以外の仕事で「副収入」を得ることですが、株式を売買することによって得られた利益は「売買差益」です。つまり、報酬や給与といった副収入を得るわけではないため、株式投資は副業にはあたらないのです。
あくまで株式投資は、不動産投資や外貨預金といった資産運用のひとつ。そのため、副業禁止の会社で働いていたとしても、社内規定で株式投資が禁止されていない限りは基本的に株式投資をしても問題ないと考えましょう。
会社員が株式投資を始めるなら長期投資!その3つの理由とは?
長期投資は日々忙しく働く会社員におすすめの投資手法です。そもそも長期投資とは、短期間で売買をせず、数年から数十年といった長期間に渡り投資することを指します。ここではなぜ会社員に長期投資がおすすめなのか、長期投資の魅力を紹介します。
短期的な値動きを気にしなくてもよい
会社員が長期投資をする最大のメリットが「短期的な株価の上下を気にしなくてよいこと」です。長期投資では、一度株式を購入したあとは短期的な値動きを捉えて売買するのではなく、継続して銘柄を持ち続けることになります。
そのため、長期投資においては頻繁に値動きを確認する必要はありません。リーマンショックやコロナショックのような世界的な経済危機や企業の倒産危機などのニュースがない限り、週に1度程度の株価チェックで十分といわれています。
このように長期投資は基本的には銘柄を買った後はほったらかしでよいため、忙しい会社員でも株式投資が仕事や生活の負担になることはありません。
取引コストを下げられる
1日から数か月程度の期間で売買を行う「短期投資」や1日の中で売買を完結させる「デイトレード」など、他の投資手法と比べて、長期投資は取引の回数が少なくなります。従って長期投資では、取引の度に発生する取引手数料を低く抑えることが可能です。
1回あたりの国内株式取引手数料について、ネット証券であれば500円前後かかる場合(※1)もあります。頻繁に売買すると、手数料の負担が増える可能性があります。
投資する際に、より多くの利益を確保するためには取引コストをいかに下げるかが重要です。長期投資の場合、取引手数料が抑えられるので、他の投資手法と比べてコスト面で優位になります。
(※1 一部ネット証券では手数料が無料としているケースもある、2024年2月22日時点)ケースもあります
複利効果を得やすい
複利効果とは、運用で得られた収益を再投資することで投資元本が増え、雪だるま式によって多くの利益を得られる効果のことです。複利効果は投資期間が長ければ長いほど大きな効果を発揮します。一方で、投資元本部分に対してのみ利益がつく計算方法を「単利」と言います。
長期期間が長ければ長いほど、複利効果の恩恵をより多く享受することができます。以下、投資元本100万円+年利回り3%のケースで、投資期間別の単利・複利の投資資産(投資元本+投資成果)を表で比較してみました。
投資期間 | 単利 | 複利 |
1年 | 103万円 | 103万円 |
5年 | 115万円 | 115万9,274円 |
10年 | 130万円 | 134万3,916円 |
15年 | 145万円 | 155万7,967円 |
20年 | 160万円 | 180万6,111円 |
25年 | 175万円 | 209万3,778円 |
30年 | 190万円 | 242万7,267円 |
35年 | 215万円 | 281万3,862円 |
スタートは同じ100万円ながら、単利と複利とでは35年後に65万円以上の差がついていることが分かります。
ちなみに複利効果については、20世紀最大の物理学者とも呼ばれるアインシュタインが「複利は人類最大の発明」と称賛した(諸説あり)ことでも知られています。
<単利と比較した複利効果の凄さ> 仮に、年7.2%の利率で複利運用すれば10年間で資産は複利効果により2倍になります。しかし、運用で得られた収益を投資元本に組み込まない「単利運用」で、同様に年7.2%の利率で運用したとしても資産は1.72倍にしかなりません。 |
長期投資を始めるのにぴったり!おすすめのネット証券会社5選
短期的な値動きを気にせず、複利効果も得られる会社員におすすめの長期投資。ここではそんな長期投資を始めるにあたっておすすめのネット証券を5選紹介します。なお、今回紹介するいずれのネット証券も、業界最大級のお小遣い稼ぎサイト「ポイントタウン」にて現金や電子マネーなどと交換できるポイントを獲得しながら口座開設することができます。
SBI証券
SBI証券は、1999年にインターネット取引サービスを開始した、国内最大手のネット証券です。最大手らしく、取り扱い銘柄数や手数料の低さ、投資情報提供など、各種サービスが高いレベルで充実しています。長期投資を始めるほうが注目したいSBI証券の特徴は、主要ネット証券No.1の「9か国の外国株式を取り扱っていること」です。
<SBI証券 外国株式取り扱い株式>米国株式・韓国株式・ベトナム株式・マレーシア株式・インドネシア株式・タイ株式・シンガポール株式・中国株式・ロシア株式 |
SBI証券では国内株式のみならず、海外9か国の成長性の高い銘柄にも長期投資をすることができます。情報量が少ない海外株式は投資上級者向けではありますが、経験を積んだ後に少額から海外株式投資に挑戦してみてもよいでしょう。
なお、ポイントタウン経由でSBI証券の新規口座開設を完了させれば14,000ポイントが付与されます。くわしいポイント獲得条件などは以下リンクにてご確認ください。
◆SBI証券【新規口座開設完了】|ポイントタウン
14,000円分のポイントが獲得できます。
※新規口座の開設時期によって獲得ポイントが異なります
楽天証券
楽天証券はSBI証券と並んで「ネット証券2強」とも呼ばれるネット証券です。SBI証券と同様に各種投資サービスが充実しているほか、取引に応じて楽天ポイントが付与される点が特徴です。
そのほか、楽天証券で長期投資を始めるメリットとして、日本経済新聞社提供のビジネスデータベースサービス『日経テレコン(楽天証券版)』が無料で利用できることが挙げられます。同サービスでは3日分の日本経済新聞や日経MJなど、株式投資に役立つ情報を閲覧することができます。同サービスのコンテンツを読み込むことで、長期投資をしたい銘柄が見つかるかもしれません。
なお、ポイントタウン経由で楽天証券の口座を開設し、さらに口座開設後30日以内に1万円以上を入金することで、2,500ポイントを獲得することができます。気になる方はぜひ以下リンクをご確認ください。
◆楽天証券|ポイントタウン
2,800円分のポイントが獲得できます。
※新規口座の開設時期によって獲得ポイントが異なります
マネックス証券
マネックス証券は米国株式に力を入れているネット証券です。米国株の取り扱い銘柄数は5,000超に上り(※2024年2月22日時点)、その数は業界トップクラスを誇ります。米国株に興味がある方にとっては魅力的なネット証券でしょう。
また、日本株についても、日本株分析ツール「銘柄スカウター」を提供しています。同ツールを使えば、過去10期以上の長期業績をグラフで確かめられるほか、投資指標を参考とした理論株価も確認することができます。長期投資したい銘柄を同ツールで分析してみてはいかがでしょうか。
ちなみにポイントタウン経由でマネックス証券口座開設の申し込みを行い、「申し込みから30日以内に口座開設完了+申し込みより60日以内に1取引」を完了すれば、10,000ポイントを獲得できます。詳しくは以下リンクをご参照ください。
◆マネックス証券|ポイントタウン
10,000円分のポイントが獲得できます。
※新規口座の開設時期によって獲得ポイントが異なります
PayPay証券
PayPay証券は、普段使用しているPayPayアプリで取引ができるネット証券です。スマートフォンでの取引に特化していることから、「スマホ証券」とも呼ばれています。PayPay証券では取り扱われている全銘柄が100円以上1円単位(※1)で購入することができます。またPayPayポイントを保有していれば、新たに現金を入金せずとも、同ポイントを使って投資を始めることも可能です。このようにPayPay証券は「投資へのハードルの低さ」が特徴であり、とくに長期投資をしたい投資初心者の方におすすめです。
(※1)PayPay証券のミニアプリ「PayPay資産運用」の場合を指す、PayPay証券アプリは1,000円以上1円単位で購入可能
松井証券
松井証券は1918年創業の老舗ネット証券です。同社は1998年5月に日本で初めて本格的なインターネット取引を開始したことでも知られています。
長期投資を始めたい人に松井証券をおすすめする理由が、同社のサポート体制です。同社の顧客サポートは、HDI-Japan(ヘルプデスク協会)主催の「2023年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において、最高評価「三つ星」を13年連続で獲得している実績があります。また、完全予約制で日本株または米国株に関する投資相談ができる「株の取引相談窓口」も提供しています。投資手続きに関する質問や相談したい銘柄があれば、松井証券に問い合わせしてみましょう。
なお、ポイントタウン経由で松井証券の口座開設を完了すれば900ポイントを獲得できます。くわしい条件などについては以下リンクをご参照ください。
◆松井証券 口座開設|ポイントタウン
900円分のポイントが獲得できます。
※新規口座の開設時期によって獲得ポイントが異なります
会社員が株式投資を行うときの3つの注意点
最後に、会社員が株式投資を行ううえで押さえておきたい注意点を3つ解説します。
社内規定で株式投資が禁止されていないか確認する
株式投資は副業には該当しません。副業禁止の会社に勤めていたとしても、株式投資は自由に行うことができます。しかし、会社によっては仕事への悪影響やインサイダー情報漏洩などを抑止するために、社内規定で株式投資を禁止しているケースもあります。そのような会社で株式投資を始めてしまうと、社内規定違反になってしまいます。まずは社内規定で株式投資が禁止されていないかどうかを確認するようにしましょう。
仕事に支障が出ないようにする
株式投資には日々の株価チェックや四半期ごとの業績チェック、優良銘柄検索など、様々な作業が発生します。それら作業は、ときに業務中であっても確認したい衝動に駆られる可能性があります。
たとえば、保有銘柄の急騰もしくは急落時には、仕事中に株価チェックをしたくなることもあるかもしれません。また、短期投資をする場合は、スマートフォンやパソコン画面に張り付いて、売買タイミングを見計らいたいと思うようになることでしょう。
また、取引時間が日本時間の夜から翌朝の海外株式を取引するとなると、寝不足のまま仕事に出なければならないかもしれません。
株価チェックをするために頻繁にスマートフォンをのぞいたり、寝不足のまま仕事に出てしまっていては業務に支障が出てしまいます。
仕事が疎かになって会社での評価が下がってしまっては本末転倒です。
仕事への影響が出始めた場合には、投資金額を抑えたり、株価チェックのタイミングを株価が動かない時間帯だけにするなど、株式投資が仕事に支障が出ないように工夫することが大切です。
確定申告をしたほうが節税になるケースがある
証券会社の課税口座には以下3種類があります。確定申告が必要か不要か、口座の種類によって税金については異なります。
- 特定口座 源泉徴収あり:原則、確定申告不要
- 特定口座 源泉徴収なし:譲渡益(株式などの売却で生じた利益)が発生した場合は、証券会社より送られる「特定口座年間取引報告書」をもとに確定申告が必要
- 一般口座:投資家自身が1年間の売買損益を計算して確定申告をする必要がある
上記の通り、「特定口座 源泉徴収あり」の口座を開設して生じた株取引の利益(譲渡益)は、証券会社があらかじめ源泉徴収し納税が完了するので確定申告は不要です。
端的に言うと、証券会社に納税手続きをお任せするコースです。
しかし、株取引の譲渡損失(株式などの売却で生じた損失)が出ているケースであれば、確定申告をすることで「損益通算」や「繰越控除」により税金を減らすことができます。
- 損益通算:同一年分の利益と損失を相殺すること。上場株式の配当などの利益と上場株式の譲渡損失を相殺することで、源泉徴収された利子・配当から生じた税金が還付される。
※原則、相殺するためには、利子・配当について申告分離課税を選択して確定申告をする必要があります。
- 繰越控除:損益通算をしても相殺し切れなかった譲渡損失を翌年以降最大3年間繰越すこと。翌年以降最大3年間は、毎年確定申告をすることで利益(譲渡益)から譲渡損失分を相殺して税金を減らすことができる。
つまり、同じ年に利子・配当の利益(プラス)と上場株式の譲渡損(マイナス)を相殺することを「損益通算」、年をまたいで相殺することを「繰越控除」といいます。
このように、「特定口座 源泉徴収あり」の口座を開設すれば、確定申告をする必要ありませんが、確定申告をしたほうが節税につながるケースがあることは押さえておきましょう。
また、そのほかの口座である「NISA(非課税口座)」を開設して生じた利益(譲渡益や配当金など)は、課税されないので確定申告は不要です。
※NISA口座から生じた上場株式などの譲渡損失は、そもそも利益に対して税金がかからないので、損益通算の対象外となります。
※参考:株式・配当・利子と税
株式投資は副業ではない!長期投資で資産運用をしよう!
株式投資は副業にあたりません。そのため、社内規定で株式投資が禁止されていなければ、会社員であっても株式投資を始めることができます。
また、会社員におすすめの投資手法が長期投資です。長期投資であれば日々の値動きをチェックする必要がなく、忙しく働く会社員の負担は大きく抑えられます。加えて、複利効果を得ることで、資産の増加スピードを加速させることも可能です。会社員で株式投資を始めたい人は長期投資での資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、株式投資を始める際には証券会社で口座開設をしなければなりません。口座開設をする際には下記ポイ活サイト&アプリ「ポイントタウン」経由で開設することで、現金や電子マネー、ギフト券などとも交換可能なポイントを獲得できます。せっかく口座を開設するのであれば、ポイントタウンを活用して、お得に口座開設&株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。